六つ目の物語

□第13憑目
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暗い夜道を歩っていると、交差点の横道から信楽に会った
そのまま一緒に帰ろうということになった


「──…またコックリの金でパチンコか?」

「いや、今日は化かした家の金でね」


この化け狸はどうにかならんのか!?
コックリも同じ化かす系の妖怪なのに、あれほどのオカンブリようは凄いぞ!?


「あいつはもと神だからおじさんとは違うんだよ」

「そーいうもんか?」


家の敷地に入り、玄関の戸を開ける

まだ皆夕飯を食べているだろうから和室に行くと、コックリとこひなは飯を食べ、女バージョンの狗神がこひなにくっついていた

女バージョンの狗神には以前、胸を揉むというセクハラがあってから会ってなかったな

そう考えていると、後ろにいた信楽がいつの間にか狗神の後ろにいた


「美人だ。美人がいる」


光より速く移動したような…

そんなわけないよなー!と思いながら台所に行って、ぱっぱっと手を洗って自分用の料理を持つ
まだ温かいからチンする必要もないな

和室に戻ると、銃を持った狗神に、額から血を流している信楽がいた


「お嬢さん、お小遣いあげるから、おじさんと…もふっ゙!ご飯でも…もふっ゙!ごはっ!」

「……」

「粘っこいナンパと、全て殺せば解決すると言わんばかりの女か」


こひなが二人の間にいるのが可哀想だ


「(我が家の風紀が乱れ始めている。こひなと名無しさんの教育に悪い!)

おい信楽!」


コックリが止めてくれんかな?

俺はもうどうでもいいやと食事をしだす


「我が家でナンパをするのはよせ!こひなと名無しさんの教育上よくないし、ハレンチ禁止だ!」

「それもそうだな。
じゃあ、ガールハンターならいいだろ?」


どこに違いがあるんだ
ナンパもガールハンターも意味は一緒じゃねーか





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