六つ目の物語

□第7馮目
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バイトにそろそろ行かなくてはならないので、いったん自室に戻って着替えた

小っさな鞄を持って和室に行くと、気持ち悪い物体がウネウネしていた


「…肉怪(ニッカイ)か何かか?」

「ミンチになった狗神さんです」


本当にミンチになってんじゃねーか!ひき肉だろこれ!


「しかもこれで生きてるとかホントバケモンだな」

「このくらいのことで妖は簡単には死にません」

「じゃあ、コックリもミンチにしても生きてんのか?」

「俺をミンチにする気か!?」


冗談に決まってんだろ

とまあ、そろそろ家を出なくてはホントに遅刻してしまう

あ、一回小便しとこ


鞄を部屋の端に行き、便所で用を済ます


「バイトに行ってくんな。夕飯はこひなの分だけでいいから!」

「おう!気をつけて行ってこいな!なんだったら送ってやろうか?」

「絶対ついてくんな!」


俺は鞄を掴み、コックリが着いてこないように慌てて家を飛び出した


「名無しさんの奴、バイトの事となると話そらすんだよなー」

「…」


コックリさんは、意外にも鋭いようです


「そういえば、狗神さんは何処にいったのでせう…」


忽然と消えた狗神さんだったのでした




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