六つ目の物語

□第5馮目
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なんかコックリが急にベタベタしだした

いや、コックリの身体がじゃなくて、コックリが俺にベタベタくっついてきたってこと


「ほらほらほらー
気持ち良いだろ?フサフサだろー?」

「あーあー
フサフサですねーもっさりですねー」

くっついてくるコックリにテキトーに返す
こひなが羨ましそうな顔で見てくるので、こひなは俺の膝に座らせた


「ほら離れろって!
こひなの笑顔見るんだろ?」

「はっ!そうだった!」


やっとコックリは離れて、俺達の前に立つ(人間バージョンに戻った!)


「取り合えず俺の真似をしてみろ
ほらっ」


コックリは自分の顔を差しながら微笑む


「……ニコ」

「福笑いみたいになってんぞ!!」


こひなの目と口が原型を留めていないほど崩れている
上手くいってないとこひなも感じたらしい
一度顔をこすり、元の顔に戻すともう一度やってみますと意気込む


「…………ニコ」

「あ…」

「ひえぇ〜!」


目が顔から落ちた
こひなは落ちた目を掴んで自分の顔に貼り付ける


「なんか無理言ってごめんな…」

「コックリわかったか
もうこひなに無茶振りさせんじゃねーぞ」

「おお…」


何故かコックリは疲れていた








───────
──

────






次の日もバイトがあり、帰ってくると、コックリがこひなが笑ったと騒いでいた

そっか…こひな笑ったのか


「で、聞いてくれよー
こひながよー」

なんか父親になったばかりの奴が子供の成長を自慢してくるみたいだ

にしても、コックリがこひなの可愛い可愛い笑顔を見たとか許せん!


「そういやこひなもだけど、名無しさんもあんま表情かわんねーよな」

「何言ってやがる、この黄色ダルマが
俺はバイトでいつもニコニコだぜ」


接客は笑顔が基本だ!


「そういえばバイトって何やってんだ?聞いた事なかったな」


しくった!
いつも何となく話をそらしていたんに、自分から誘い込んでしまった!


「んー、まあ、何でもいいじゃん」

「いや、よくない。俺は名無しさんの家以外での私生活は知らん。
名無しさんにもとり憑いているんだから、知って困ることもなかろう」

「俺にも取り憑いてたんか!?止めろよ気持ち悪ぃ!男が男に取り憑いてどーすんだ!」

「名無しさんなら女子(オナゴ)みたいな顔をしているから問題ない!」

「人のコンプレックスを!」


中性的でもねー、女顔はホントに嫌なんだからな!
ま、まあ、こひなと同じ顔ってのは嬉しいけど…

実際俺とこひなの顔はそっくりだ
生まれたのがそんな変わらなかったら双子とまで言われていたんだろーな


「笑った顔を見せてくれ!名無しさんも可愛いんじゃないか?」

「もう顔の話すんな!
俺は寝る!お休みなさい!」


俺は迫ってくるコックリを交わして部屋を出る

風呂は明日でいいや
早く寝よ…





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