六つ目の物語
□第7馮目
1ページ/4ページ
バイトにそろそろ行かなくてはならないので、いったん自室に戻って着替えた
小っさな鞄を持って和室に行くと、気持ち悪い物体がウネウネしていた
「…肉怪(ニッカイ)か何かか?」
「ミンチになった狗神さんです」
本当にミンチになってんじゃねーか!ひき肉だろこれ!
「しかもこれで生きてるとかホントバケモンだな」
「このくらいのことで妖は簡単には死にません」
「じゃあ、コックリもミンチにしても生きてんのか?」
「俺をミンチにする気か!?」
冗談に決まってんだろ
とまあ、そろそろ家を出なくてはホントに遅刻してしまう
あ、一回小便しとこ
鞄を部屋の端に行き、便所で用を済ます
「バイトに行ってくんな。夕飯はこひなの分だけでいいから!」
「おう!気をつけて行ってこいな!なんだったら送ってやろうか?」
「絶対ついてくんな!」
俺は鞄を掴み、コックリが着いてこないように慌てて家を飛び出した
「名無しさんの奴、バイトの事となると話そらすんだよなー」
「…」
コックリさんは、意外にも鋭いようです
「そういえば、狗神さんは何処にいったのでせう…」
忽然と消えた狗神さんだったのでした
.