ボカロ短編
□ボカロ短編
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「あーあ、俺もあーいう女がよかったなぁ」
「……へー、それお前の女が聞いたら大変だな」
「いないからいーんだよ」
チラッと和真を見ていう聖に頬ずえをつきながら言う和真は楽しそうに言う。
そんな楽しそうに話す彼の後ろに立つ人物に気づいた聖はそれを教えることなく心の中で笑いながら話を続ける。
「今の彼女に不満があるわけ?」
「あー、不満っつーかもうちょっと料理ができたほうが…あっ、あとすぐ殴る所とかかな…でっ!?」
話をしていると頭に衝撃があり、痛みに頭を押さえて後ろを振り向いて真っ青になる。
「か、加奈!?」
「悪かったわね。料理下手で暴力的で!!」
「聖!!お前知ってて言ったなっ!!」
慌て出す和真に素知らぬ顔で携帯をいじりだす。
和真は首根っこを捕まれて引きずられるように教室からつれていかれた。
廊下からは聖を罵声する声が聞こえるが当の彼は気にしておらず弁当をカバンにしまう。
「何あれ?」
「ん?自業自得だね」
教室に戻ってきたレンは廊下ですれ違った和真のことをたずねると聖は平然とした顔で答える。
「そんなことよりさ、今度レンの彼女に会わしてよ」
「…なんで?」
「やー、和真の話が本当なのかなって」
「なんて言ってたのアイツ?」
「今は言えない。レンの彼女に会って確かめてから言う」
「はぁ?」
意味がわからないと言うような顔をしながら残り少ない時間で弁当を食べ始めるレン。
横から聖はつまみ食いをしてレンに怒られ、戻ってきた和真は左頬を真っ赤にはらしていた。