海賊b

□おじゃまむし
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『マールコ!何してんの?そろそろ次の島に着くから、一緒に買い出しの準備しようよ!』



ナースさんたちと楽しそうに座り込んでいるマルコを見つけ、後ろから抱きつく。



「くまか。これが終わるまで、ちょっと待ってろい。」



マルコは難しそうな顔をしながら、3人いるナースさんの中の一人とチェスをしていた。

弱いのに、なんで。そんな事を思いながらチェスボードを覗けば、やはりマルコが負けている。



『・・・負けてる。』

「う、うるせぇよい!黙って見てろい!」

「ち、チェックメイト、です。」



控えめに告げるナースさんに、マルコは目を丸くしてチェスボードを見つめる。

まさか。そう言いたそうな顔だ。



「あら、負けちゃいましたね。」

「途中まではマルコさんが勝ってましたのに。」



傍観者の立場であるナースさん達が、ふふふ、と綺麗に笑う。



『白ひげ海賊団の一番隊隊長ともあろうお方がね!』

「くま、エースには言うなよい。」

『えへへ、どーしよっかな!』



ニヤニヤしていると、微笑むマルコに軽く小突かれた。



「あ、あの、マルコさん。」

『?』



チェスの相手だったナースさんが、マルコを呼ぶ。



「・・・私が勝ったら、お願いをきいて下さるんでしたよね。」

「ああ。おれに出来る範囲なら、」

「わ、私と、付き合って頂くことは・・・可能でしょうか!」



頬をほんのり染め、呟く。ナースさんの心臓の音が、こちらにも響いてきそうなくらい、緊張しているのが分かる。

わ、マルコ!どうするの!なんて呑気に言いながら彼を見れば、マルコの頬も、みるみるうちに赤く染まっていく。



『マ、マルコ、』



早く、買い出しの準備に行こう。

まるでそう言うようにマルコに伸ばした私の手は、彼の体に触れることなく、宙を掴んだ。



「・・・くま、先に行ってろい。おれも、後から行く。」



こちらを見ずに、そう告げた。

彼の瞳に私は映っていない。



(ああ、そうか。)



私は初めから、邪魔者だったんだ。





(あんまりラブラブして遅くならないようにね、なんて強がってみせた自分が、情けなく思えた。)






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