海賊b

□Piccola sirena
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「さあ、お待ちかね!本日の目玉商品はこちら!」



水槽の中に眩しいほどの光が入る。と同時に観客席がざわめく。

どうやら私はスポットライトを浴びているようだ。

どうしてかって?



「まるで人魚姫のように美しい女子の人魚!観賞用にするもよし、二股になってから嫁にするのもよし!スタートは・・・8000万ベリーから!」

「8500万!」

「9000万!」



大絶賛競りにかけられ中でーす!首に爆弾ついてまーす!泣きたいでーす!

・・・なんでこうなっているかと言いますと、とある人物と口論になりまして、海に飛び出しお腹が空いて動けなくなっているところを・・・こう、ガッと捕まえられた。

ああ、このままどこぞの貴族様に買われて、大きな水槽の中でピラニアと追いかけっことかさせられるのかな。



「ちょ、困ります!今丁度競り中で・・・」

「退け」



客席がざわめき、貴族のオバサマたちがヒステリックな声をあげている。

なんだよまったく、叫びたいのはこっちのほうで・・・



「フッフッフ!みぃつけた」

『ふぎゃっ!?』

「フフ!その間抜けな声はどうした」

『だ、だって!』



私の後ろ、というより私の入った水槽の後ろから突如現れたピンクのモフモフ野郎。

もとい、競りにかけられる原因。

口喧嘩の相手、ヒューマンショップ経営者、七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ。

そうだそうだ、元はと言えばコイツが私をヒラメの人魚だなんて言い出したのがきっかけだ。理由は胸が平べったいから。

言い返せなくて、うわーん!って言いながら海に飛び込んだんだ。私、かわいそう。



「ど、ドフラミンゴ様!?何を・・・!」



ドフラミンゴが私の首についていた爆弾をガチャリと外し、従業員たちが一斉に駆けつけ、その光景を慌ただしく見ている。

うん、そりゃあ驚くよ。ボスが商品を勝手に持って行こうとしているなんて。しかも客の前で。



「アン?お前か?おれの人魚姫を競りに出した奴ァ・・・」

「ヒ、ヒィ!ももも申し訳ございません!」

「コイツは返してもらうぜ」



水びたしな私を抱え、フフフ!こんなスリルも悪くねェだろ?なんてほざいているフラミンゴ野郎に殺意さえ覚えた。





(助けてくれてどうもありがとう馬鹿!)

(フフフ!)



(piccola sirena 人魚姫)






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