【 e t c 】
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明日は明日
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生きていれば
色んなことがある
嬉しいことも 悲しいことも
悦びも、絶望も
生きている限り続く
螺旋の切なさ
痛みや苦しみは
何度繰り返しても
慣れなくて
塞ぎきれない傷から
血を流したまま
また新たな傷が涙に膿む
どこに行けば 何をすれば
安らぎの中で眠れるのだろう
『 明日 は 明日 』
大丈夫?
仕事から帰るなり、ベッドに倒れこんだまま動かないでいると、彼の声が聞こえてきた。
「……大丈夫……」
枕に顔を押し当てたままだったから、言葉になっていたかどうか分からない。
長かったね。
「……うん…」
辛かった?
「…多分……」
あいまいにしなければやりきれなかった。
あまりに辛くて、苦しくて。
頑張ったね。
彼の声は海のように優しくて、月明かりのようにまっすぐ心に届く。
欲しくてたまらなかった言葉が、ゆっくりと身体を満たした。
灯り、消しておくよ?
「……あり…がとう……」
ため息混じりにつぶやく。
それでも、鉛のような体を動かすことは出来ない。
冷えていく私の身体を包んでいた空気が、ふわりと緩くなった。
彼の大きな手が、私の頭をゆっくりとなでる。
優しさは、今の私には麻薬だった。
身を委ねてしまいそうになって、思わず身じろぎする。
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