◇Request◇

□私と小鳥と彼と。
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はぁ…、

雲雀の溜め息が誰もいない部屋に響く。

「イジメすぎた…、」
ヒバリ、ヒバリ…

ヒバードと一緒に楽しそうにしている夏樹を見て、つい自分の方を向かせたくな
った。


“僕のこと嫌い?”


「ガラにもないことを……」



でも、一回も夏樹の口から聞いたことかない。

「夏樹………」
聴かせてよ、



“好きだよ”って。



微かな音になってヒバードの耳をくすぐった。…なぜか心地いいと思うヒバード
だった。







そっと、夏樹は応接室の扉から顔を出して誰もいないことを確認する。
(よしっ…)

ヒバリ、ヒバリ……


一瞬ビクッとなったが、部屋にいるのはヒバードだけだ。


「なんだ、…」
ホッとして、応接室に置いていってしまっていた鞄を取った。
今また雲雀は見回りだろう。


ヒバリ、ヒバリ…



夏樹はふぅっと溜め息をついた。

「本当は言いたいんだよ。



―――恭弥、って。」



自分から言ってから、かあっと顔が熱くなる。

「でも、反則だよ…」


あんな顔で見つめないでほしい。



「それに、嫌いじゃないんだからね、私。だって……」



ヒバードが今度は何も言わず(鳴かず?)、夏樹の肩に留まった。
夏樹はソッと呟くように言う。




「―――大好きなんだから、恭弥……」




ヒバードは小さく首を傾げた。






次の日、夏樹は懲りずに放課後応接室に遊びに行く。

でもヒバードがいなかったので、帰ろうとした矢先のことである。


雲雀とバッタリと会ってしまったのだ。
「あ……」


ヒバードは雲雀の肩から夏樹の肩へ乗り移って、体を夏樹の頬に擦り寄せる。



途端、スッと雲雀の目が細くなる。

「何しにきたの」

「え…」
全てを冷たく見下ろした口調に驚いて、立ちすくむ夏樹。

「まさか、ヒバードに会いに来ただけ?」

「…っ、ち、違うっ…。違うよ……」


「私は……私は…―――」
言葉が続かない、どうしようもなく口をかみ締めていると、



―――キョウヤ、ダイスキダヨ……



二人してハッとなる。
…声の主は、ヒバードだった。

夏樹はヒバードが今何を言わんとしたのか瞬時に理解して顔を赤くした。


キョウヤ、キョウヤ……


「キャーッ、ヒバード言わないで!口を噤んでて」

しかし、一向に止める気もないらしくパタパタと飛び回る。


キョウヤ、ダイスキ、ダイスキ……


「〜〜〜………/////」
「―――夏樹?」
「い、今はダメ!…お願いだから、話しかけないで//」


「なんで?」
グイッと雲雀は夏樹を正面から抱き寄せる。
「嬉しいよ、夏樹…」


耳元で囁くから、きっと顔はあられもないくらい真っ赤になっているだろう。



「ねぇ、夏樹の言葉で聴きたい―――言って?」
「……〜〜〜/////」
「毎日、ヒバードを僕の代わりになんて喋ってたの?」


ナツキ、ナツキ……


ヒバードが応援なのか、冷やかしなのか判らない調子で鳴く。

(もう…、こうなったのもヒバードのせいなんだからねっ…!)



「――夏樹?」


……その美声に導かれ、自然と言葉が口から紡がれる。



「…大好きだよ、恭弥////////」




「僕もだよ、夏樹。

好きだよ…

―――ずっと言いたかった。
少しずつでもいいから、言葉にしていこうね」

「―――うん…」


ヨカッタ、ヨカッタ……、




結局、一番の食わせ者なヒバードであった………―――。






(僕も好きだよ、夏樹。ねぇ、もう一回言って?)
(…っ、――恭弥、好きだよ…/////)


(でも僕だけに、大好きって言ってね)
(Σえ……。でも私、ヒバードも好きだよ)
(ナツキ、ナツキ…ダイスキ)
(む……、)
(あはは…ほらね)

(でも夏樹は僕のものだよ)
(ナツキ、ダイスキー!)
((…………バチバチ………))


(…………(汗))




みんな違って、みんな大好き!




end.







ちゃんと、ギャグ甘になっているか心配ですが…、

一応雲雀さんがヒバードに嫉妬するって話で(笑)
(意外嫉妬深いんですよね〜)




リクありがとうございました!!

夏樹様のみお持ち帰りOKです♪
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