◇Request◇

□私と小鳥と彼と。
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――ヒバリ、ヒバリ…


「じゃ次、…恭弥って言ってみて。
いい?きょ・う・や、」


…チョウヤ、チョウヤ……

「恭弥って言ってるつもりなんだろうけど…」


♪〜緑たなびく、並盛りの
大なく小なく 並がいい〜〜


「ハァ…特訓だね、ヒバード」









私と小鳥と彼と。










並盛中学の応接室、

実際使っている殺伐な雰囲気とはうってかわり、
放課後のソコは和やかでほんわかとしている。


最近、一人の少女がここの持ち主の小鳥と遊ぶ為に入り浸っているからである…





少女の名は夏樹、


本来風紀委員長――雲雀恭弥が使っているこの部屋を使っているには、ある理由
があって……



「なんで、並盛校歌や名字は言えても名前は言えないんだろう…?」


ヒバリ、ヒバリ、…

「…ヒバード、あんたもしかして私をおちょくってない?」


♪〜緑たなびく…


「誤魔化しても無駄よ、今日こそはちゃんと言ってよ」


夏樹はソファーに座って、テーブルにちょこんといる黄色の小鳥とにらめっこ。


「いい?きょ・う・や、って」


チョウヤ、チョウヤ、……ヒバリ、

「え?」

ヒバードが突然飛び上がって夏樹の周りを飛んでいると、扉が開く。


「あ…、えっと……………雲雀、さん」


「何、その間?」
そう、この部屋の主、雲雀恭弥が学校見回りから帰ってきたのだ。

「お帰りなさい」
「前、僕言ったよね。もう恋人同士なんだから、名前で呼んでって?」

「えっと…///」


実は最近夏樹は、めでたく(何故か)雲雀の彼女になったのだ。
恥ずかしくもあるけど、嬉しかった。
でも、雲雀の目の前になると緊張しちゃってキチンと喋れない。


♪〜…並盛のー 大なく小なく…

「だから、あんたが誤魔化さなくてもいいっていうのっ」
飛んでいるヒバードを捕まえようと手を伸ばすが、絶妙なタイミングで上に上が
ってしまう。


並がいい〜♪


「もう、ヒバード…っ」



その時、雲雀が近付いてきていつの間にか夏樹の傍に立っていた。

「ひば……り、さん?」
「――夏樹、言って?」


真剣で真っ直ぐなその眼に捕らわれる…、



端正な顔が近くにあって、見惚れてしまう。
ずるい、こんなに綺麗な顔をしているなんて……、



「きょ……」

ヒバリ、ヒバリ、…


ハッとその声に我にかえった。
じっと見てくる雲雀と目があって、顔が真っ赤になった。


「――夏樹は、僕のこと嫌い?」
「〜〜〜〜…っ!!!/////」


顔を真っ赤にしたまんま、夏樹は応接室から飛び出した。
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