過去拍手

□Don't laugh at my Romance.
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「みるめくんはさ、」

長い髪をそよがせて、えんちゃんが言った。


「ユリ先生が好きなんでしょ」


思いがけない言葉だった。


○Don't laugh at my Romance.○

言われて初めて気が付いた。

あぁ、俺はユリちゃんが好きなんだ。

くるくると回りながら落ちる雪のようにつかめなく

蝶々のようにふわふわ飛び

気まぐれさはまるで猫。


いわゆる小悪魔に俺は惚れたのか。

『…そうかも』

自分でそう言うと
あぁ本当に好きなんだって。

胸の奥がちくりと痛む。



「みーるーめーっ!!」

『!?』

よっ、と片手を上げて俺を見上げるのは

俺の好きな人。


「どうした?ため息なんかついちゃってさ」

『…いや』

「お。恋してんの?」


いたずらっぽく笑う彼女がまぶしくて。


どうしてそんな目をするの?


抑えられない この想い。


好きなんだ。


『ごめん、』

俺が言うと、彼女はにこっと笑った。

『ごめん、』


―――愛してる。

二十も年の差の片想い。

誰が笑ったって構わない。

けれど、この想いだけは笑わないで。


Don't laugh at my Romance.


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