紅玉

迷い人は姫と出逢う
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再びゴロゴロ…という音。

――――刹那。

けたたましい轟音と閃光が当たり一面を覆いつくしたまさにその時である。

「きゃぁぁああっ!」

同じくらいにすさまじい悲鳴があがった。

何事か。

城内で大事があるなどあってはならないことである。

彼は瞬時に悲鳴の方向へと駆けた。

―――もはや迷っていることも忘れて。



なんとか声を頼りに駆けていた絳攸は、たぶん声の主であろう人物を見つけた。

耳をおさえて座り込み、叫んでいる。

近づくにつれ、だんだん姿がはっきりしていく。

あれは、

「秀麗!?」

思わぬ弟子の声に、あわてて駆け寄る。

肩を震わせ、座り込んで泣き叫ぶ姿は尋常ではない。

「おい秀麗!何があった!!」

しかしまったく彼女は聞いていない。

それどころか、絳攸の袖をがっしりと掴んで泣き叫んでいる。

「おい!」

今一度絳攸が声をかけたときである。

再びけたたましい轟音と閃光。

「きゃぁぁあっ!静蘭!!静蘭ー!!」

その様子を見てまさか―――と絳攸は察する。




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