小説

□はじまりはエロ本でした
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「皆は何処行ったんだ?」
「さあ。なんか今日他のヤツラ用事あるみてー。すぐ帰ってったぜ」
「って事はお前と二人か?」
教室を見渡しても、人影なんてどこにもない。今までこんな事あったか?って位静かだ。

そういえば、とイッキが俺に真面目な顔して近づいてきて、
「なあ、カズ、おまえ昨日出た新しいエロ本もってねーの?」
ニヤッ、って悪い顔しながら、囁く。
そういや、買う金ねーつってたっけな、コイツ。
「……一応、持ってきたけど」
「お、さっすがカズ!!」
なにが流石だ、調子良いな。
「皆いねーしチャンスだろ、見せろよ」
顔がニヤニヤしてる。いや、俺も今日初めて見るからにやにやしちゃってるかもしんないけど。

ペラ、とページをめくって、1ページ1ページ凝視。
その本を見る俺たちの顔は、どんな時より真剣だったと思う。
「…………」
「…………」
こりゃ、すごいわ、うん。
流石出る前から噂されてただけある。……やべー、シたくなってきた、かも。
「カズ」
「っ!……何だよ?」
いきなり話しかけられて、ちょっと内心驚いたけど、平静なフリしてイッキを見る。
「俺、もー勃ってんだけど」
お前もかよ。
「しらねーよ勝手にヌいとけ。トイレでやってくれば?」
そう言って、ほら、とエロ本を渡す。
それからトイレを指差す俺を、イッキはじーっと見つめた。
そして、ぽつり、と。
「なぁ、……男同士でもヤれんだぜ?カズ」
とんでも無い事を言った。
「はっ!?おま、何言ってんの?」
いくらヤりたいからってそれはねーだろ!

「男同士でどうやってヤんのか、興味あったし。試しにやってみよーぜ。俺、たまってんだよ」
「知らねーよ!!馬鹿か!」
「まあまあ、気持ちーかもしんねぇじゃん」
「だからって何でお前と!」
近づいてくるイッキに、ちょっと恐怖を感じながら、俺はじりじりと後ずさる。
もう一度口を開きかけたところで、トン、と背中がぶつかった。振り返ると、後ろは壁。
逃げられねえ……!
キッ、と目の前の奴を睨もうとして、壁から目をはずしたところで、
「お前だって勃ってんじゃん」
「……っ!?」
ガッチリ腕をつかまれて、机に押し倒された。

抜け出せるハズが無い。なんたって、イッキは自分よりずっと強いんだから。
するりと服が脱がされて、何も纏っていない肌に、イッキの手が触れる。
「ふ、……んっ」
「ふうん、ココにいれんだろ?入んのかよ」
やめろ!!
人の尻、じろじろ見んじゃねーよ。
「なんか滑るモン使わなきゃはいんねーんだろ」
「……っつーかホントにやるのか、」
イッキの視線が、今度は尻から上にいって……、
「ひぁっ!?」
「ちょっとお前、イっとけよ、そんで出せ。それ使う」
「馬、か、……イッキおま、え……そこ握んな、ばか、ッあんっ」
ジュプッ、ジュプッ、ってイッキの手が、上下に動く。うわ、何これすげーやらしい音がすんだけど。
「ぁっ、……あぁっう」
「お、もうイきそうか?」
「イッ、キ……っハァッ、やめ、」
「今更やめるか馬鹿」
「ーーーーっ、んんっ!」
びくんっ、と仰け反った背中。
同時に俺は、イッキの手に、射精していた。
「はぁっ、はぁ、はっ……」
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