小説

□その後、
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やっと体を離した匪口さんが、今度は私の目を覗きこむ。
近づいて、目の前いっぱいに匪口さん。匪口さんの唇が、私の唇に、触れた。
ちゅ、と音をたてて、はなれていく目の前の顔。
「イイ?」
ああ、そんな顔するなんて匪口さんは、ずるいよやっぱり。
返事なんか待たずに、私の服の下に手がするり、と入ってくる。
「っ……ん、」
「結構あるじゃん、桂木」
「〜〜っっ」
上の方まで手があがってきて、そのまま私の胸を掴む。
恥ずかしい。
「けっこ、うあるって何言ってるんです、か……匪口さんの変態」
恥ずかしさに耐えられなくて、私は憎まれ口。匪口さんは気にしていないようだけれど。
「だからさ、俺は変態なんだって」
楽しそうに笑う匪口さんには余裕があって、焦ってる自分ばかり、馬鹿みたい。悔しい。
キッと匪口さんを睨みつけても、その手はそのまま構わず私の胸を揉みしだいていた。
「ん、ぁっ」
「お、感じてる?」
なんて恥ずかしい事、普通に聞いて来るんだ、この人は。

「もっと気持ちよくしたげるからさ、安心してよ」
何が安心なのか分からない。
そんな事を思ってる間にも、胸の上に乗っている手と反対の、もう片方の手は、当たり前みたいに足の付け根に伸ばされていった。
「ひゃっ!?」
知らない感覚にびくっ、と体が跳ねる。
「もー濡れちゃってる」
とても楽しそうに、匪口さんは笑う。その顔面に拳を入れたい。
でも、そんな事してる余裕は無さそうだ。
「やぁぁっ……」
「入ったよ、指」
自分の中で動く何か。
匪口さんの指、が入ってる、と思うだけで、どうしていいか分からない。徐々にこみ上げてくる快感は、私をどうにかしてしまいそうだった。

かきまわされて、あげたくないのに声をあげて、やっと指を抜いてくれたと思ったら、次は。
「いれるよ、桂木」
拒否権は無いですか。
「やっ、あぁっ、んっぁ……」
ゆっくりと、身体が一つになっていく。
ずぷぷ、といやらしい音がする。自分の体からそんな音が出ている事に、物凄く、今まで無いくらいに恥ずかしさがこみ上げてきた。
「やだぁ、匪口さん、匪口さ、あんっ……やぁっ、ヤ、ダあぁ」
何だかもうよく分からない、頭が真っ白で、恥ずかしすぎて、それでも気持ちよくて。
どうしようも無くて、嫌と叫んで、匪口さんの名前を呼ぶ。
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