脳噛
□視線の先
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「あ、吾代さんこんにちはー」
「ん、ああ」
-桂木弥子探偵事務所-
最近、気づくとここに足を運んでいた。けして暇なわけではないのだが…。
「あ、そうだ、ネウロ」
「うるさい黙れ雌豚」
「ちょっひど…!」
相変わらずな光景を眺めていた。
つーか・・・・なにしに来たんだっけ俺・・・
呼ばれてもねえのに。
来る必要もねえのに。
「それで今度は私…」
「ああ…そうか…」
人を脅迫する化け物と普通の女がいるだけ。
そんな事務所に赴く理由があるはずがない。
何かを求めに来た。
のか?
それが何なのか分からない。
そんなものあるのか?
だが、実際、何か用があるわけでもないのにここに立っている俺がいた。