灰男
□心の影
1ページ/7ページ
彼にとっては素直はとても遠い。
緩み、歪んだとしても
決して表に出す事はなく、しまい込んでしまう。
美顔にそんな皺寄せて顰め面しちゃって
なんて勿体無いのだろう。
でも、やっぱり馬鹿だなあ神田は。
バレバレだよ。
僕にはね。
心 の 影
雨。
ああ、雨の後は何て湿気が多くてじめじめしてるのだろう。
肌に纏わり付く感じが…この言い表せないような異様な感じが
たまらなく嫌。
冷たく叩きつける雨の音と、人を不快にさせるようなシトシトした感じ
が嫌。
晴れ。
太陽は僕等を暖かく見守ってくれる。
空は僕らを広く受け入れてくれる。
光が人を照らしてくれる。
曇り。
人の気持ちを下げるようなどんよりした空気がなんともいえない。
光の無い空間がどこと無く顔を暗くする。
こんな空を見上げたくないからどうしても下向きになる。