灰男
□逆転
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ビリビリ…
これなーに?
逆 転
これはどうしたものか、とアレンは頭を悩ませる。
しかしこのまま放っとくのもアレだし。
「おいこら、何スースーと寝息立てて気持ち良さ気に寝てるんですか」
はあ、と溜息を一息吐く。
彼の肩を軽く揺らす。
「……」
アレンの眉が呆れたようにやや下がる。
彼は一向に気持ち良さそうに寝ている。
その寝息がやけに苛立つ。
がすがす…ッ。
肩を軽く揺らしていた筈のアレンの起こし方が
一変して蹴りへと変わる。
がすがす…ッ。
「早く起きろや、この糞兎」
さすがにしばらくして彼はやっと目が覚めた。
そして第一声が、
「うッ………ん…?!何さ…??」
"う"と蹴りの痛みに目覚めたようで。
彼もまさか蹴りで起こされるとは思いもしないだろう。
「なんか…痛いんだけど…?!」
「やっと起きてくれましたか、ラビ」
にこやかに朝のご挨拶。
ラビも痛いことなど気にしないことにした。
いや、触れないことにした。
ラビは起き上がって唐突にアレンを抱きしめる。
「ん〜アレン〜…v」