曽妹
□自転車
2ページ/3ページ
「曽良くん、ごめんね。寒かったでしょ」
「大丈夫ですよ」
自転車置き場に行ったはいいけど、他の自転車を将棋倒しにしてしまい、それを起こしていたら、すごく時間が経ってしまっていた。
「曽良くん、後ろ乗って」
「え」
「大丈夫だよ、転ばないから」
「いいんですか?」
「構わんよ!待たせちゃったお詫びだと思って」
ね?と振り返ると、曽良くんは心配そうに自転車の荷台に座った。
「ホントに大丈夫ですか」
「だーいじょぶだぁーって!」
やってやろうじゃないか、とペダルを漕ごうとした。
「……っ!」
自転車が動かない。
曽良くん重っ……!!
でも言い出した手前、
「出来ない」なんて言えず、渾身の力で自転車を漕いだ。
あんなに細い体のどこにこんな体積があるのだろうか。
「あのー、妹子さん」
「待って、大丈夫だから」
「漕ぐの代わりますよ」
「え、でも……」
外は真っ暗。この調子ではさらに暗くなってしまいそうだ。
「じゃ、お願いします」
僕があっさり承諾すると、曽良くんは荷台から降り、僕と場所を交代した。
僕が荷台に座るのを確認すると、曽良くんは自転車を漕ぎ出した。
それは、さっきまでの速度が嘘だったかのような走りで、ちゃんと掴まっていないと落ちてしまいそうなくらいだった。
「あのー…曽良くん、体重いくつ?」
「100キロです」
「真面目に聞いてんの!」
「54、5くらいだと思いますけど」
それなら僕だってほとんど変わらない。
じゃあさっきの重さは何だったんだ……
「危ないからちゃんと掴まっててください」
「う、うん」
_________
初めて3ページ以上書くことになります。
実は曽良さん後ろで足めっちゃ引きずってたりする^q^
妹子が心配だったんだよってことにしといてください