曽妹

□自転車
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「曽良くん、ごめんね。寒かったでしょ」

「大丈夫ですよ」

自転車置き場に行ったはいいけど、他の自転車を将棋倒しにしてしまい、それを起こしていたら、すごく時間が経ってしまっていた。

「曽良くん、後ろ乗って」

「え」

「大丈夫だよ、転ばないから」

「いいんですか?」

「構わんよ!待たせちゃったお詫びだと思って」

ね?と振り返ると、曽良くんは心配そうに自転車の荷台に座った。


「ホントに大丈夫ですか」

「だーいじょぶだぁーって!」


やってやろうじゃないか、とペダルを漕ごうとした。


「……っ!」


自転車が動かない。

曽良くん重っ……!!

でも言い出した手前、
「出来ない」なんて言えず、渾身の力で自転車を漕いだ。

あんなに細い体のどこにこんな体積があるのだろうか。


「あのー、妹子さん」

「待って、大丈夫だから」

「漕ぐの代わりますよ」

「え、でも……」


外は真っ暗。この調子ではさらに暗くなってしまいそうだ。

「じゃ、お願いします」


僕があっさり承諾すると、曽良くんは荷台から降り、僕と場所を交代した。
僕が荷台に座るのを確認すると、曽良くんは自転車を漕ぎ出した。

それは、さっきまでの速度が嘘だったかのような走りで、ちゃんと掴まっていないと落ちてしまいそうなくらいだった。


「あのー…曽良くん、体重いくつ?」

「100キロです」

「真面目に聞いてんの!」

「54、5くらいだと思いますけど」


それなら僕だってほとんど変わらない。

じゃあさっきの重さは何だったんだ……


「危ないからちゃんと掴まっててください」

「う、うん」


_________
初めて3ページ以上書くことになります。

実は曽良さん後ろで足めっちゃ引きずってたりする^q^

妹子が心配だったんだよってことにしといてください
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