曽妹
□恋の黒魔術
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ノートに好きな人の名前を100回書いて、新しい消しゴムで消して、小さなビンに入れて持っておくと、思いが届く、もしくは今以上の関係になれる
……という、ものすごく気色悪いおまじないを聞いた。
そんなのウソだろうとは思うけど、一応やってみる。
それにしても100回は多い。
曽良くんの名前はそんなに画数が多くないけれど、聖徳太子とかだったら大変だと思う。
(僕は曽良くんがいるからいいんだけど。)
「僕がいるから何ですか」
「え…うわぁぁぁぁ!そ 曽良くん!?いつからソコに?」
「いつでも妹子さんの側にいますよ」
「そんなこと聞いてねーよ!」
「妹子さんの思ってることなんて全部お見通しなんですけどね。それよりなんですかそれ」
やっぱりツッコまれたか。
「あー……うん、なんか…黒魔術的な……」
自分でもかなり苦しい言い訳だと思った。
「何のですか?」
「言わなきゃダメ?」
「………ダメです」
正面からじっと見つめられて、かなり動揺する。
「え、えーと、うん、」
「え?」
「…恋の…黒魔術…」
なんだよ恋の黒魔術って。
ものすごく声が小さくなっているのが、自分でも分かってすごく恥ずかしい。
恥ずかしいんだよ、何か言えやコラァ――!!
なんて絶対言えないけど、自分でも分かるくらいに顔が火照る。
恥ずかしさからザパンザパン目を泳がせていたら、突然、曽良くんに抱きしめられた。
「そっ……曽良くん…苦しいって」
抱きしめられているから、曽良くんが今どんな顔をしているかは分からないけれど、多分、僕と同じことを思ってるんだろうな…
と、思った。
「妹子さん可愛すぎです……どんだけ可愛いことしてくれてんですか」
「……好きだからに決まってるでしょ」
随分そっけない言い方だったけれど、曽良くんに伝わってればそれで良かった。
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オチ?そんなサービスうちには無いよ
すまんかった\(^Ο^)/
2010年1月21日修正