曽妹

□寝言
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曽良くんは意外と寝相が悪い。さっきも蹴られた。

ワザとやってんじゃないかと思うくらい的確に痛い部分を蹴ってくる。

(あーあ、また布団蹴ってるし。)


「曽良くーん、風邪ひくよー」

当然聞こえるはずはないけど、何となく話かけてみる。

(曽良くんホントに綺麗な顔してるな〜……)

なんて思いながら布団をかけ直していたら曽良くんが何かをブツブツ言っていた。

「寝言言ってるし…」

なんて言ってんのかな?

と思い、耳を近づけてみると、

「妹子さん……大好きですぅ……」

と、途切れとぎれに聞こえてきた声に、ものすごくドキッとした。
でも何も返さないのもなんだかもったいないと思って、

「僕も好きだよ、曽良くん」

と、曽良くんの髪を梳きながら言ってみた。

どうせ寝てるから聞こえてないと思っていたけど、髪を梳いてた手をいきなり掴まれた。

「今言ったこと忘れないでくださいよ」

「そそそ曽良くん!?起きてたの?」

「当たり前です」

キッパリと言い放たれた言葉にハッとした。

「もしかして今言ったことも全部聞いてた?」

「当然ですよ」

(そ 曽良くんが笑ってる………)

そんなときに僕が得するようなことが起きたことなんて一度もない。

「……眠いんでもう一回寝ます」

「わっ」

曽良くんは僕を布団に引きこんだ。

「こんな体制で寝れるか!」

後ろから抱きしめられているせいで、いちいち首に寝息がかかる。

「妹子さんに決定権はありません」

「えぇ〜……」

「まだまだ夜は長いですよw」

「曽良くん変な笑い方しないで!
ってマジにやめて!
ちょ……ぅおっ!!」

「うおって何ですか
もっと色気ある声出せないんですか」

「そんなこと言ったって……」


_________


別に曽良くん寝相悪くないです。
妹子が気にかけてくれるからなんかやってただけで……
一緒に寝てるとかいいなって………

誠に申し訳ない!


2010/1/20 修正

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