わたし幸せになります!


リディアの顔をふと見たくなって、彼女の自宅を訪れた
声を掛けようとすると、そこにはリディアと一緒にブライアンがいた
ブライアンは僕に気が付いたのか、こちらをちらりと見た
そしてあろうことかリディアの額にキスをした
リディアは照れて真っ赤な顔で、ブライアンを怒っている
その様子がまるで恋人同士みたいで、腹が立った
あの二人はそういう関係ではないと分かっているのに

怒りを抑えられない

僕はその場から勢いよく二人に向かって歩き出した




穏やかな午後、私はブライアン兄様と楽しくおしゃべりをしていた
ブライアン兄様はとても優しくて、時には厳しく諭してくれる
もし兄がいたら、こんな感じなんだろう

「ねえ、リディアは今幸せかい?」

いきなりブライアン兄様にそう尋ねられた
いきなりで少しびっくりしたが、笑顔で答える

「ええ、とても幸せよ」

「良かった。やっぱり妹には幸せになって貰いたいからね」

目を細めて笑う兄様
私もそれにつられて笑顔を返すと、兄様に額にキスをされた

「に、兄様っ!?」

「ごめん、リディアの笑顔を見てたら思わず」

もうっ、と頬を赤くしてブライアン兄様を怒る

「はは、本当にごめんね?…でも幸せになるんだよ」

それだけ言ってブライアン兄様は部屋に戻っていってしまった
行ってしまったあとを見つめていると、後ろから足音が聞こえた
振り向くとそこには恐い顔をしたエドガーがいた

「…エ、エドガー?」

恐る恐る声を掛けると、拗ねたような口調で問われた

「どうしてあの男にキスを許したの?」

「だってブライアン兄様は兄弟のようなものだし…」

それでも納得いかないようなエドガー

「もしかしてエドガー…、ブライアン兄様に嫉妬してるの?」

「…悪いのかい」

思わず笑ってしまう

「リディア、やっぱりこんな嫉妬深い男は嫌かい…?」

しょんぼりしてしまったエドガー
その様子が可愛くて、とても愛しい
エドガーを慰めるために正面から抱きしめる

「リディア?」

「大丈夫よ、エドガー。私が愛しているのは、あなただけだもの」

いつもなら照れてしまって言えない言葉も、今日はしっかり言えた
最初はびっくりしたような顔だったけど、次の瞬間綻ぶような笑顔になったエドガー

「嬉しいよ、リディア。僕も、君だけを愛してる」

そう言って啄むような優しいキスを顔中に落とされる

(ブライアン兄様、私幸せになるから)

リディアは心にそっと誓って、瞳を閉じた

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