片恋ラブレター


その日の俺はとても落ち込んでいた
なぜかというと
幸せそうに微笑むリディアを見たからだ
リディアは今まで俺が見た事もないような笑顔だった…
今まで、リディアを幸せに出来るのは俺たちのような妖精だけだと思っていた。
けれど、今リディアが優しく微笑みかけているのは俺や他の妖精でもない

他でもない、伯爵なのだ

最初はさらってでも、リディアを妖精界に連れて行こうと思っていた。
しかしそれでは、リディアは自分の事を見てくれない
それどころか、毎日伯爵の事を考えて泣いて過ごすだろう
俺も悲しそうなリディアは見たくない
リディアが幸せなら今は我慢できる

(まあいい、リディアが死んで魂だけになったらその時こそ連れて行けばいい)

その時はもう二度と

離さないから

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