憂鬱ララバイ


リディアの部屋へ行こうと、廊下を歩いているとリディアとレイヴンがいた。
しかも、二人とも顔を赤くして…。

「何、してるんだい?二人とも…」

ハッとした様子でリディアがこちらを振り向く。

「あ、あのね!!!違うの!!」

その慌てた様子に少し腹がたってしまう。

(それじゃあまるで肯定してるみたいだよ、リディア)

「おいでリディア」

いってもたってもいられなくなり強引にリディアの手を引いて歩き出す。
リディアがレイヴンにごめんなさいと謝っている声が聞こえた。
それが更に僕の嫉妬心を煽る。

…初めてレイヴンに殺意を抱いたよ

「…きゃ!!」

乱暴にベットの上に組み敷くと、リディアが小さく悲鳴を上げた。

「ど、どうしたの?エドガー」

…鈍感すぎるよ、リディア?

「どうして僕が不機嫌なのか分からないの?」

リディアは本当に分からないようで、必死に首を傾げる。

「レイヴンの事だよ」

「あ、あれは…その…」

どうして口ごもる必要があるんだい?

「言わないなら無理矢理にでも言わせるよ?」

「エ、エド…っん…」

リディアに無理矢理くちづける
リディアは苦しそうに僕の胸をドンドンと叩く。
抵抗されない様に更に深くくちづけると、
鈍い痛みがはしり、思わず口を離すとリディアに噛まれたという事が分かった。

噛む程、嫌なのか

その事実が僕を更に暗い気持ちにさせる
口の端から流れる血を指でグイッと拭う

「そんなに酷くして欲しいなら、ご希望通りにしてあげるよ」

「…やっ、エドガー…!!」





隣に眠るリディアの髪を優しく撫でる。

(何やってるんだ…?僕は)

さっきまでの自分に自己嫌悪を起こす
冷静に考えれば分かりそうな事なのに
勝手に嫉妬してリディアに無理をさせて

(馬鹿だ、僕は…)

うなだれて、頭を下げるとリディアが小さく身じろぎをした
思わずリディアから手を離してしまう。
今はきっと僕の顔なんか見たくないだろうと部屋を出て行こうとすると

「エドガー、行かないでっ…!!!」

リディアが僕のシャツの袖を引っ張った。

「ごめんねリディア…。僕の事なんて嫌いになっただろう?」

「そんな事ないわ!!元はといえば私がちゃんと話さなかったから…」

リディアは少し涙目になりながらも話す。

「あ、あれはね、実は…」

リディアが何故二人で赤い顔をしていたか説明してくれる


その話を聞いて、僕は思わず倒れそうになった。
なんて事だ…
本当に僕は大馬鹿者だ
さっきの僕を殺してやりたい

「本当に…ごめんよ、リディア…」

「ううん、いいの…。もし私もあんなの見ちゃったら多分立ち直れないと思うから……」

リディアの言葉に少しだけ救われるけれど、あの時きっとリディアは怖かった筈だ

「でも怖かったでしょう?」

「最初は怖かったけど…」

「けど…?」

そこで顔を赤くしてしまったリディアに再び悪戯心が芽生える

「ああ…。凄く感じてたものね…?」

わざとリディアの耳元で囁く。
顔を真っ赤にしたリディアは俯いてしまう

「ごめんね、さっきのだけじゃ足りなかったでしょ?さっき乱暴にしちゃった分丁寧に抱いてあげるよ。朝まで、ね」

次の日、リディアが寝室から出て来る事はなかったそうです…。

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