鹿
□-Please tell me-
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奈良家に着くと
相変わらず物静かで
広い庭には放し飼いの鹿で冴も
この暖かい天気の中お昼寝中だ
正面玄関から
一応ノックをして
おじゃましますと一言呟く
勿論シカクさんもヨシノさんも
任務中だから居るはずは無いのだけれど
ていうか家にシカマル
一人なのに鍵閉めない訳?
もう、無防備だなあシカマルは、
玄関にいつも履いてるシカマルの靴を見て
家に居る事を確認すると
さっき家から持ってきた
「良く効く」と言われている風邪薬と
途中のお店で買ってきた
氷水と、タオルを持って
シカマルの部屋に上がった
「………」
がちゃり
何度か入り慣れたドアを開ければ
寝息を立てて
少し苦しそうに呼吸をしながら
ベッドで寝てるシカマルくん
「……………」
危なく持っていた氷水を
落としそうになる
だ め だ
か わ い い ←
「………ん」
俺の気配を感じたのか
たまたまなのか
小さく寝返りを打って
俺の方へ顔を向ける
ゆっくりと手を伸ばして
汗ばんだ髪の毛をおでこから払うと
その額にキスを落とした
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