鹿

-何度だって伝えよう-
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「ーッ、…ま、」



待てよ、と口を開こうとしたが
そんな短い時間さえも
アスマは与えてくれなかった

手際良く下着も脱がされ
呆気なく露わになった俺の下半身を見るなり
口角を上げて笑うアスマに
身体は酷く翻弄されてるのか
全くと言っていいほど力が入らず
太股を捕まれて簡単に開脚を許してしまう

「すげーな、本物の女じゃねーか、」

ー…、だからそうだって
さっきから言ってんだろーが、この変態

ぱっくりと開いた秘部は自分でも解る程
ひくひくと震えていて

この体制だけでも恥ずかしいのに、
もうやだ、こんな滑稽とした姿

俺はもう羞恥と絶望に奮い立たされていて
糺でさえ女体化して混乱してるっつーのに
変化しただけだと、勘違いしたのか
(つーか上忍なら
術かどうか見破れるだろ)
勝手に入ってきたアスマに襲われて
俺だって見たことの無い秘部を
じっくりと魅入られる

「ひーッあ、…っん、」

ぴくん、身体が跳ねる

ねっとりとした生暖かいものが
その蕾へと触れて、
それがアスマの舌だと理解するのに
数秒も掛からなかった

ぴちゃ、くちゅ、

「…や、ぁあ、…そんな、とこ」

胸を触れられ少なからず
感じていたであろう
秘部の割れ目に舌を捩込んで
そっから上へ、下へと丁寧に舐め上げた

「…っん、ゃあ、っ…っ」

ぐちゅ、り

秘部にある突起の部分に
先程のと同様強く吸い付いては
舌で転がし、小さく歯を立てては玩ぶ

「あす、ま…や、だ、…っは、」

俺はもう完璧に飲み込まれていて
抵抗する隔ても無く秘部が奏でる水音と
なんとも言えない強い刺激に
耐え切れずに居た

「…びしょびしょだぜ、此処。
吸っても吸っても汁が漏れて来やがる。」

「この、変態アスマッ」

今すぐこの余裕着々の顔面を
蹴り飛ばしたかったが
やっぱり俺の身体は力が入らねーみたいで
抵抗に脚を閉じて見たけれど
再びすんなり開脚される

ぐちゅり、十分に濡れた蕾へ
二本の太い指が侵入してきて
円を書きつつ入口の肉壁を
ゆっくりと撫で回した

「ひ、…ふ、…っく、…う」

「………ん、」

「ーッひ、っぁあ!」

背筋が反れて声が上がった

秘部の突起を吸われたと同時に
揃えられた二本の指を奥まで押し込められる

「やだ、あ、すまっ…そこ、やだっ…あ、」

舌で愛撫される突起は
敏感に快楽と刺激を与えて
アスマはそれから口を放すと
喉を鳴らしながら悪戯な笑みを浮かべた

「ああ?ここ、感じんだろ?
陰核っつってな、
哺乳類の雌の性器に備わる性感帯でな、
別名クリトー…」

「っ、この、エロ熊、」

「誰がエロ熊だよ、お前こそ此処、
こんなにしといて何言ってやがる。
音すげー鳴ってんぞ。」

ぐちゅりぐちゅり
二、三度太い指が折り曲げられ後
三本目となる薬指がぎちり、と
音を発てて中へ入り込んでくる

苦しい、熱い、変になる、
自分が自分じゃないみてーだ
なんだよこの感覚

「は、…っあ、…っく」

淫液がアスマの指に絡み付いて
しつこく掻き出されたそれは
いつしかシーツへと染み落ちていく

器用にバラバラに動かしたり
三本の指を揃えて出
し入れする動きに反応して
身体も秘部も小さく震えた

「…ん、っーッあ、」

面白がってんのか余裕の笑みのアスマに対し
俺は必死に唇から零れ出る
喘ぎ声を抑える事しか術は無かった

「んじゃ、入れるぜ、」

「ーッ」

顕わになった赤黒い肉棒は
いつもより大きく太く感じて、
ごくり、喉を鳴らし躊躇してしまう

ぐち、り

「…ひ、っく、」

俺はー…

その痛みから逃げるように

その事実から背けるように

目を伏せた





今日俺を抱くアスマの目は

いつもより優しくて

いつもより怖かった





俺は男だ、

アスマもそれを承知で
俺自身を身体をを好いてくれてる筈だ

気の所為だろうか

いつもよりアスマが嬉しそうで

愛おしそうで

俺じゃなくて、"女の身体"を

求めてるようにしか見えなくて思えなくて

これ以上考えたら涙が出てきそうだ

いや、駄目だ、堪えきれない

じわり、目頭に熱いものが込み上げてくる

なんでだろう、抱かれてるのに

自分の身体のはずなのに

どうしよもなく

寂しい、切ない、怖い、

男同士なんて、
認められないだろう

アスマはあの偉大な三代目火影である
猿飛ヒルゼンの息子で

結婚の話ともなれば
里中大騒ぎする程の一族の一人だ

そんな人が結婚もせずに
男の俺と、関係を持ってるだなんて
里中に知られたら大問題になるだろう

だけど嫌なんだ

アスマがこの先、

他の女のものになるなんて、

嫌だ、絶対嫌だ

でも、俺も男だ、

あんたとは、一緒になれない





「シカマル、どうした。」





みっともない事にいつの間にか俺は
肩を震わせていて、
目尻から泪を流していたらしい



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