鹿

-幸福論-
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「………。」




浮かぶ雲を見上げながら
感傷に浸る

俺達は成長した

容姿も中身も考え方も見てるものも
欲しいものも、変わった

大切にするものも増えたし
守らなきゃいけないものも出来た

今度は俺達が

この里を子供達を守る番だ

いつかアスマが俺に託してくれた様に

俺もいつか木の葉の「玉」に
火の意志を託す

だからどんなに過酷な任務でも
俺はそれを守る為なら苦じゃねえ





任務報告書を提出した後
暗号解読やら書類整理を任され
気付けば時刻は23時

口煩く人使いの荒い火影様から
明日は非番でいいと告げられた

明日は何をしようか
帰っていつも通り好きなだけ寝て
とりあえず読みかけの本の続きを読んで
気が向いたら適当にプリンか何か買って
いのん家行ってみるか

単純にそんな事を考えながら家に帰る

ただいま、と一言行って靴を脱いで
リビングに顔を覗かせれば
そこには母ちゃんの姿だけで
どうやら親父は
まだ家に帰ってきては居ないらしい

「お帰りシカマル。
早く部屋に行きなさい。
あ、ちゃんと手を洗ってからね。」

「…?」

とりあえず飯食って風呂入りてえんだけど、
何で部屋?と不思議にも思ったが
聞くのもめんどくさくなって
とりあえず荷物とベストを置きに
言われた通り部屋へ向かった

………ん?

明るい、
俺の部屋から暗い廊下に欝すらと
光が差し込んでる

「………」

電気、なんで付いてんだ?

不意にもドアを開ければ
予想もしなかった事が待っていて

そうだった





「「誕生日おめでとう!!シカマル!!」」





「………な、」

自分の部屋みたいに図々しくも
寛ぐいのとチョウジの姿が在った

そうだ、

十年も付き合いがあるこいつらが
俺の誕生日を忘れる訳ねーんだ

少しへこんでた自分が
馬鹿らしくて笑えてきて

それに釣られてか
いのもチョウジも満足そうに笑った

殺風景な俺の部屋ではなく少し躊躇する

普段置かれないミニテーブルには
三人分の料理と
手作りだと思われるケーキが
綺麗に並べられててて

「「サプライズ大成功ーっ!」」

「さっきばったり会った時は
危なかったわよねー!」

「ほんと。危なくおめでとうって
言いそうになったよ。」

「俺はまじで忘れられたかと
思ってたけどな。」

「あら、寂しかったの?」

「…寂しかったんだねシカマル」

「ちげーよ!!」

にやにや笑う二人を無視して
コホンと咳ばらいして一息置いてから
再び目を向ける





「ありがとう。」





俺達は成長した



だけど

何年経っても
変わらないものもある

「ちょっと、チョウジ!
ケーキは後って言ったでしょ!」

「美味しいよ!いのの作ったケーキ!」

「でしょでしょ☆あったりまえじゃない!
………って!あんた
いい加減にしなさいよ?」

「チョウジ、いのを怒らせんなよ。
めんどくせーから。」

「…シカマル、なんか言った?」

くだらない会話

「シカマル、ごはん
ほっぺに付いてるよ!」

「あらま、余計マヌケ顔になったわね!」

「うっせーな、………隙ありっ!」

「ああー!それっ
私が食べようとした肉!」

こいつらの笑顔

「あー、あと1分!」

「シカマル電気消して!」

「へいへい。」

「チョウジろうそくっ!」

「了解っ!」

食べかけのケーキに刺さる
ろうそくに小さく火が燈った

カチカチカチッと暗くなった部屋に
時計の針の音だけが響く

日付が変わる三秒前





「「せーの、誕生日おめでとう!!いの!!」」





この先もずっと変わらないもの

あの日見た夕焼け

くだらない会話

こいつらの笑顔

お揃いのピアス





俺達の絆





毎年三人で祝う

年に一度の誕生日





HAPPY BIRTHDAY
SHIKAMARU&INO
0922&0923





end



――――――――――――――――――――

シカマル&いのちゃん
HAPPY BIRTHDAY

しかちゃん女々し過ぎた?
いやでも仲間想いだからね彼(笑)

今回は十班でお祝いさせて
頂きましたー(^O^)
十班が好きすぎるー!!!!!!

今回はいのちゃんチョウジくんは
ヨシノさんの手を借りて
シカたんの部屋でスタンバイ←

どっきりをやりたかったらしい。
ヨシノさんとシカクさんは
朝一でおめでとうと言いました←

ヨシノさんとシカクさんも
混ぜようとしたんですけど
やっぱり十班三人が好きなので
今年はこの三人で祝いました←

このあとシカクさんも帰宅し
二階で騒ぐ三人の筒抜けな会話を聞いて
お茶啜りながらヨシノさんと
微笑んで居てほしい←意味深

とりあえず第十班は
どの班より強いと思うのです。

毎年一緒にいて
毎年祝ってもらってるのに
今年は二人に会っても
誕生日のことにはするーされ

しょぼんぬなシカさん(笑)

シカちゃんいのちゃん
誕生日おめでとうっ(^O^)

シカマルいのちゃん
誕生日ということで
続けてもう一作品!

原作から12年後
奈良シカマル(28歳)
アスマ紅の子供(12歳)

幸福論-受け継がれるもの-

※BLではなくて
シカマル×いの要素がっつり
入っております

だってシカいのの
誕生日ですもの

ちなみにあとがきには
ジャンフェスで岸本さんが
シカマルの今後の恋愛について
話してたのでネタバレ有り←

興味ある片はどうぞ→

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