-甘い甘い月明かりの夜に-
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(カカシSide)




「せんせー誕生日おめでとだってばよ。」

ナルトは満面の笑みで
カップラーメンの入った
ビニール袋を差し出す

ありがとうナルト

味噌、豚骨、醤油、うん
俺の好きなあっさり塩味まである

非常食になるよ

「確か先生甘い物嫌いでしたよね!
だからケーキは買わなかったけど
変わりにプレゼントです。」

サクラは両手で
小さな包み紙を差し出した

医療パックか何かだろう

助かるよサクラ

「三十路おめでとうございます。」

にっこりと笑顔のサイは
分厚い本を俺にくれた

うん、三十路…だけどさ
なんか傷つくなあ

出来ればイチャパラ
完全版全巻セットが
欲しかったんだけど

まあ、ありがとうサイ
暇な時にでも読むとするよ






ナルト、サクラ、サイから
誕生日プレゼントや暖かい言葉を貰って
そうか、今日は俺の誕生日ねと自覚する

長年忍をやってると
そういうの気にしなくなるというか
別にどうでも良くなるというか

そうそう俺、油っこいものと
甘い物苦手なのよね

だからケーキとか貰ってもー…
いや、嬉しいよ、嬉しいんだけどさ
まあこの子達は
俺の苦手なものを知って
チョイスしてくれた見たいで

ああ、俺この子達の先生で
良かったなあと笑みが零れる半面

今日は俺の誕生日なのに





はたけカカシ30歳





「「じゃあお家で安静にしてて下さいね!!」」





「ありがとう。皆、気をつけて帰れよ。」





怪我をしました












怪我名:捻挫(しかも軽い)←





最近任務の立て続けで疲れてるのか
それとも単に歳なのか…
でも三十ってまだ若いよね?

ただふつーに
イチャパラを覗こうとしたナルトから
(結構過激なシーン)
逃げようと弊へジャンプしたら
足から変な音がした訳さ

まあ別に普通に走れるし
なんとも無いんだけど
サクラは心配して家に居て
安静にしてろだって

酷いこと言うよね

先生の誕生日だっていうのに
先生を一人にするなんて!

三人が玄関から出ようとするのを
見送ろうとすると
ピンクの髪が振り向いて戻ってきた

ふわりと髪を靡かせて
耳元で衝撃な言葉を小さく囁いた




「あ、後でヤマト隊長が
来てくれるらしいですよ。」





よかったですね、と一言残して
にこりと笑うサクラは
そのまま外へと姿を消した





ヤ マ ト が 来 る で す と ←





ぽかんと半口開けて
立ち止まったまま
サクラの一言で
完璧にフリーズしてた



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