-好きなんだもん、しょ−がないじゃん。-
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(キバSide)

別に会えなくたっていい

あいつが俺の事を
思っててくれてれば

なんて綺麗事を言えるような
大人じゃないって事
自分でも解ってるのは承知してる訳で

それでも暖かい日差しが
俺の影をぽつり、と作るから
あいつの影も隣に在って欲しいって
くだらない事を思ってる

そう考えてる俺は
相当な゙あいつ馬鹿"なのか
それともただの餓鬼なのか

なんてどっちでもいいが

どっちにしろあいつの事しか
頭にねえ俺は馬鹿だ

今までは敵で有り
信用無しの他国の
ファッションセンスゼロの
変な奴だと思ってたのに

こんなにも熱くなるほど
夢中になってたなんて

ほんと馬鹿馬鹿しい

『つまんねえな。』

ぽつり、と呟けば「く−ん」と
高い音を出して心配そうに
俺を見上げる愛犬

ああ、そうだった

毎日の日課である
散歩の最中だというのに俺は…

『わりィ…赤丸。』

つまらねえのは
お前の方だよな…
こんな面して散歩してんじゃ
つまんねえよな…

俺は愛犬の頭をぽんぽんと
撫でるとふっと微笑んで
気持ちを入れ換えようと
ふうっと息を吐いた





うっし、





『行くぜ赤丸!!!!
散歩再開だっ!!!!』





『ワンワンッ!!!』





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