忍
□-好きなんだもん、しょ−がないじゃん。-
1ページ/10ページ
(キバSide)
別に会えなくたっていい
あいつが俺の事を
思っててくれてれば
なんて綺麗事を言えるような
大人じゃないって事
自分でも解ってるのは承知してる訳で
それでも暖かい日差しが
俺の影をぽつり、と作るから
あいつの影も隣に在って欲しいって
くだらない事を思ってる
そう考えてる俺は
相当な゙あいつ馬鹿"なのか
それともただの餓鬼なのか
なんてどっちでもいいが
どっちにしろあいつの事しか
頭にねえ俺は馬鹿だ
今までは敵で有り
信用無しの他国の
ファッションセンスゼロの
変な奴だと思ってたのに
こんなにも熱くなるほど
夢中になってたなんて
ほんと馬鹿馬鹿しい
『つまんねえな。』
ぽつり、と呟けば「く−ん」と
高い音を出して心配そうに
俺を見上げる愛犬
ああ、そうだった
毎日の日課である
散歩の最中だというのに俺は…
『わりィ…赤丸。』
つまらねえのは
お前の方だよな…
こんな面して散歩してんじゃ
つまんねえよな…
俺は愛犬の頭をぽんぽんと
撫でるとふっと微笑んで
気持ちを入れ換えようと
ふうっと息を吐いた
うっし、
『行くぜ赤丸!!!!
散歩再開だっ!!!!』
『ワンワンッ!!!』
.