-最果てから-
1ページ/6ページ


(サスケSide)





柔らかい風が吹いて





暖かい日差しが





窓から差し込む





今は昼休みが終わり
5時間目の授業中





静まりかえった教室には





授業に集中する者





先生を無視して昼寝をする者





こっそり菓子を食べている者





こそこそ話しをする者





俺はー…





-最果てから-





「っ、は…っ」

声が出そうになって
慌てて手で口を覆った

くらくらと視界が回る

息が苦しい

「ーサスケ?」

危機的状況で
何も考えられない中
小さく名前を呼ばれた

隣の席に座る意外性No.1こと
うずまきナルト身を乗り出して
俺の顔を覗き込む

やめ、ろ

話しかけるな…

前向け、ウスラトンカチ

ゆらゆらと向けられる大きな蒼い瞳に
吸い込まれそうになって
必死に眼を反らす

「大丈夫か?
なんか辛そうだってばよ。」

顔を隠そうとした腕を捕まれて
ウスラトンカチはずいっと顔を寄せてくる

「うるせ…前、向け…、放せ、っ」

くっ、身体に力が入って
余計苦しくなる

前を向けば担任は
チョークの音を鳴らして
黒板へつらつらと文字を書いていて

5時間目

担当教師

はたけカカシ

マスクと額宛てでほぼ顔は見えなく
表情がつかみ取れない

カカシはゆっくりと振り向いたと思えば
チョークを置いて
直ぐさま右手をポッケに手を入れたー…

「…っ」

「…みんな、ちゃんとノートとってる?
ってこらナルト!!
サスケにちょっかい出してないで
ノートとりなさい!!」

ナルトはカカシに注意されて
気に食わなさそうに口を尖らせて
大人しく自分の席に座った

そいつは生徒に偽りの眼を向けて
優しく笑ってるがー…
俺と眼が合った瞬間表情が一変する

「ひ、ーッ!」

その瞬間身体が熱くなり
がくがくと震えた

カカシの右のポッケの中には

俺の理性を掻き乱す

いわば俺にとっての凶器

俺の中にある玩具を
操作できるリモコン

俺の中にはロ−タ−と呼ばれる
うごめく個体の玩具

俺は無理矢理





こいつに遊ばれてる





「じゃあ、次。サスケ読んで?」





口角を上げてわざとらしく笑うそいつに
身体は震え、憎しみが込み上げてくる



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]