-確かにそれは恋だった-
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(サスケSide)

今俺を包む晴々とした空も

緑色の木々を照らす太陽も

これから起こる全てを

知っていたのかもしれないー…





俺は

まだ知らなかった

自分の気持ちにも

あいつの気持ちにも






-確かにそれは恋だった-






ガガガガガガガガ!!





「ふんっ…」

『『キャ−!!サスケ君★』』

『『満点とかすげえwww』』

現在アカデミーの実技授業である
手裏剣自由練習中

周りの奴らは練習もせずに
俺を囲むと投げる度に
キャ−キャ−叫んで騒いでやがる

満点とか当たり前だし
こんな幼稚な手裏剣練習よりも
俺は帰って修業したいのが本望

何故周りの奴らは
他人の俺ばかりで
自分の事は気にしないのだろう

己のレベルの低さに
気付いているのだろうか?

そんなんだから
ドベで落ちこぼれに成り下がるんだ

正直うざい





ガガガガガガガガ!!

「よっしゃあ!!サスケ−!!
見ろ!!俺も全部真ん中当てたぜ!!」

そんな中、隣では合間合間に
大声出して騒ぐドベ

何かと俺につっかかり
張り合うウスラトンカチは
何故か楽しそうに、
ひたすら投げる練習をしている

今となってはもう
このウザさに慣れた

ぶっちゃけ
最初は大嫌いだった

人の気も知らないで

何も考えずへらへら笑って

馬鹿ヅラしてその上ドベの足手まとい

なんでこんな奴と同じ班で
任務も授業も
一緒に熟さなければならないのか

こいつの行動、発言、
全てに苛立った

一番嫌いなタイプて

だけど
こうやって、
一緒に授業を受けて
くだらない任務を熟して過ごすうちに
少しずつだが不思議と
その苛立ちが薄れていた

「満点が当たり前だ。」

こいつの馬鹿騒ぎには
良い意味で呆れる

俺はふっと笑って軽く流すと
ナルトはビシッと指を指したかと思うと
白い歯を見せて再び叫んだ

「サスケには負けねえからな−!!」

勝手に言ってろ、と目線を背けて
手裏剣に集中しようと
前を向いた時

「シカマルにも見せてくるってばよ!」

嫌でもそいつの声が耳に入って
金髪を揺らしながら俺を通りすぎた

真ん中の的に
全て収まった手裏剣に微笑むと
ナルトは嬉しそうに駆けてった

目線でそれを追うと
木の影で中途半端に口を開けて
雲一つ無い空を見上げてるクラス1の
さぼり魔が居て

こいつもこいつで
阿保ヅラしてやがる

最近、ナルトは
何かあればすぐシカマルだ、

仲がいいのか知らねェが
二人うろちょろしてるのを見ると
無償に苛立つ

ふ、と顔を的に戻して
再び手裏剣を握った



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