鹿

-砂漠の我愛羅くんの憂鬱-
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苦しい、熱い





「や、っーま、っあ」

中に奥へ奥へと卑劣な音を発てて
肉棒は容赦なく俺を突き上げる

嫌だ嫌だと叫んでも
それは無意味で

次第にはその感覚に溺れ
俺自身も夢中になっていった

「ん、あっ、シカ、マルっ!」

どうしてこいつに抱かれているのだろう

砂隠れの里の風影である俺が
対した権力も地位もない
木の葉の忍にしがみついて
身体を震わせながら
唇を噛み締め声を出さぬ様
堪えているではないか

「我愛、羅」

名前を呼ばれて身体に力が入る

俺の中でそいつ自身は波を打ち
びくびくと震えた

俺も限界だった

もう止まる事は出来なくて
必死で腰を上下に揺らし
突き刺さるそいつ自身を懸命に咥えながら

俺は絶頂を達した





-砂漠の我愛羅くんの憂鬱-





「……………」





ー…最悪だ

目を覚ませば

そんな形跡が一つも無かった

あれが夢だったという事に気付くまで
数秒も時間が掛からなかった

なんとも酷い夢だ

夢にしてはリアル過ぎる、

今までで1番目覚めの悪い朝だろう

何故、他国の忍、
今や友ともいえるあいつに
抱かれる夢を見るなんて

俺はどうかしている

きっと疲れているんだ

そうだ、そうに違いない

冷たい水で顔を洗い
寝ぼけてる思考をこじ開けた

忘れろ忘れろ忘れろ、俺は風影だ

余計な事を考えるな

しかし考えれば考える程
立派に反り立つそれを
意識せざる逐えなかった

一度抜くべきか、いやー…
もうすぐ俺は風影室へと
向かわなければならない

大事な任務や会議が待っている

そんなことをしている場合ではないー…





「我愛羅、起きてるか。」

びくり、と身体が跳ねた

ー…俺を呼ぶカンクロウの声が
部屋の外から聞こえて
室内に掛けてある時計を見ると
部屋を出る時間はとっくに過ぎている

「来客が来てるじゃん、そろそろー…」

「ああ、今行く。」

言葉を遮って一言放った

今日も、風影としての仕事が始まる

仕事をすれば自身の欲など
考えられなくなるだろうー…

汗ばむ寝巻を脱ぎ捨て

服を着替えては風影室へと向かった



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