鹿

-Present-
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(シカマルSide)





「「メリ−クリスマス!!!」」





12月下旬どいうだけあって

外の空気は冷え切り

だけど人が絶える事無い街は

灯や装飾で色鮮やかに賑わっている

12月25日
世間ではクリスマス
というものらしい

本来なら
何時もと変わらない一日を過ごす予定で

とは言っても部屋に引きこもって
昼寝か読書か将棋でもしながら
ぐ−たらしてようと思ったんだが

「シカマル!!シカマル!!
早くこれ被れってばよ★」

ゆらゆらと揺れる蒼い眼を向け
満面の笑顔で微笑むナルト

『ヒャッホ−★
今日は盛大に盛り上がるぜ!!』

アカデミーの時から
変わらないテンションで
ぴょんぴょん跳ねては
髪を揺らすキバに

『キバ。シャパンを出せ。』

…何故か
この場のメンツに合わないっつーか
おいサスケ、お前こーゆー集まり
嫌いだろうがとつっこみたくなるほど
場に不釣り合いなサスケ

俺はめんどくせえ事に
ナルトん家のクリスマス会(?)に
お呼ばれされたって訳

企画者はナルトとキバ
イベント行事が好きなこいつらにとって
まあ、大体予想は付いてたけれど
そもそもこいつらクリスマスが
何の日か知ってんのか?

イエス・キリストの誕生日だぜ?

まあ

逢った事もねえ人の誕生日を祝うほど

俺もこいつらも
お人よしじゃねーし
どーでもいいか

そんな今日も今日で別に暇だし
参加する事に対してはいいんだけどよ

さっきからこの通り
騒がしいぜ…

「早くしろってばよ!!
皆被ってんだから
シカマルだけ被んないのとか無し!!」

そう言ってさっきから
ナルトが俺に差し出してるアイテム

さりげなく交わし続けてたが
ついにナルトも膨れっ面をして
大声で叫び始めた

無理矢理渡された物に苦笑する

「…んだよこれ。」

自分でも驚く程低い声が出て
目の前のナルトに目線を上げれば
満足そうに歯を見せて笑うナルト





「トナカイの角の
カチューシャだってばよ!」






「そりゃ解る。」

俺が言いてーのは
これを渡して何がしたいかって事だ

それに何故かナルトとキバ…しかも
あのサスケまでも
赤い服に帽子を被っただけという
シンプルだが正真正銘の
サンタクロースのコスプレをしてる

つーか

「なんで俺だけトナカイなんだよ?」

クリスマスだから
気分を盛り上げよーとして
コスプレすんのは分かるけどよ

俺だけトナカイって…

まだサンタのほ−がよかったぜ

まあサンタでも拒否るけどな

「だってトナカイって鹿だろ?」

「大体サンタ四人もいらねーじゃん。」

いやいや、意味わかんね−し
答えになってね−し
これ以上言い合うのもめんどくせ−し

「シカマル被らないのか?」

「KY過ぎるってば!」

「空気壊すなよシカマル!」

…っこいつらっ!
好き勝手言いやがって

わなわなと震える怒りを押さえて
小さくため息を吐き出した

年に一回の行事だ

こいつらがおとなしく
言うこと聞くってのは計算外だ

…くそ、仕方ねえか





俺はトナカイの角を頭に付けた←





…これから一生トナカイの角なんざ
頭に付けまいと祈りながら

…しっかしノリで被ったはいいが
大分恥ずかしいなこれ←





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