鹿

-「好き」と言って-
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(サイSide)

「シカマルくん」

「…あ?」

彼の気持ちを確かめたくて

「僕の事好きですか?」

偽りなんじゃないかって

「…じゃなきゃ一緒に居ねえよ。」

ほんとは好きじゃないんじゃないかって

「なんで好きって
言ってくれないんですか?」

「なんで言わねえといけねえんだよ。」

君はそうやってすぐ流すけど
僕はなんとなく気付いてるんだ

僕じゃない人が
君の中に居んじゃないかって

これはあくまで僕の予想だけど

付き合い当時は
こーゆー人だから
仕方ないって思ってたし
むしろこーゆーところが
好きだったけど

でもー…

「…ちょ、」

バサッ

僕はシカマル君か熱中してた
本を取り上げてソファに投げた

「真剣に話してるんですけど」

「………」

彼の前にしゃがみ込んで
顔を覗き込んでも
目を合わせようとしない

「シカトですか?」

無言の彼に僕は愛想付いて
僕の中のなにかが
プチンと音を立てて切れた

「うおっ!…っ、…ま、て…」

「嫌です。」

シカマル君の腕を軽々と引っ張れば
体は浮いて僕の方へ偏る形になる
それをいい事に僕は
無理矢理彼の体を
ベットへと放り投げた

ドサッ

「は、…サイ、っ?…んっ…」

両腕を一固めすると
だらし無く開いた紅い唇に
口付けをした



.
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