鹿
□-捨てられた鹿-
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(カカシSide)
『アスマ』
『あ?』
少年が大柄の男の名前を呼べば
「アスマ」と呼ばれた男は
ゆっくりと振り向いた
『シカマルか。どうした?』
煙草を辞めてるアスマは
なんかアスマじゃない気がして
理由は俺にも解る
この少年は知っているのだろうか
『次いつ将棋の相手してくれんだよ。』
「シカマル」と呼ばれた少年は
少し俯きながら小さく口を動かした
髪は上で結わいていながら
黒髪のストレ−ト
調った顔
細身でスタイルはいいが
いつもはだるそ−に
姿勢を崩してるため
どこかしゃきっとしない容易
身長は170あるかないかの境目
シカマル
そんな少年の仕種を
見向きもしないで
アスマは背を向けた
『悪ィなシカマル。
またいつか暇な時な。』
優しいけどまるで
「俺は忙しいから
お前に構ってる暇はない」
とでも言ってるかのように
アスマは言い放つ
『ああ。』
シカマルは「仕方ねえな」と頷いた後
アスマが立ち去るのを
ただじっと見つめてるようだった
その目は
いつもに増して淋しそうで
捨てられた動物のように
支障を負ったような表情だった
-捨てられた鹿-
アスマがいらないなら
俺が拾ってあげる
捨てられたなら
慰めてあげる
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