鹿

-捨てられた鹿-
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(カカシSide)





『アスマ』





『あ?』





少年が大柄の男の名前を呼べば
「アスマ」と呼ばれた男は
ゆっくりと振り向いた





『シカマルか。どうした?』





煙草を辞めてるアスマは
なんかアスマじゃない気がして

理由は俺にも解る

この少年は知っているのだろうか

『次いつ将棋の相手してくれんだよ。』

「シカマル」と呼ばれた少年は
少し俯きながら小さく口を動かした

髪は上で結わいていながら
黒髪のストレ−ト

調った顔

細身でスタイルはいいが
いつもはだるそ−に
姿勢を崩してるため
どこかしゃきっとしない容易

身長は170あるかないかの境目










シカマル










そんな少年の仕種を
見向きもしないで
アスマは背を向けた






『悪ィなシカマル。
またいつか暇な時な。』






優しいけどまるで
「俺は忙しいから
お前に構ってる暇はない」
とでも言ってるかのように
アスマは言い放つ

『ああ。』

シカマルは「仕方ねえな」と頷いた後
アスマが立ち去るのを
ただじっと見つめてるようだった

その目は

いつもに増して淋しそうで
捨てられた動物のように
支障を負ったような表情だった















-捨てられた鹿-
















アスマがいらないなら









俺が拾ってあげる










捨てられたなら











慰めてあげる









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