鹿
□-空いた隙間-
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(カカシSide)
『カカシ先生。』
任務帰りの青い空の下
彼は足を止めては
空を見上げた
『…どうしたの?
シカマル。』
俺は振り返って
彼に問い掛けた
『天国って
どこにあるんすか?』
…IQ200と慕われる
この少年がなんとも
幼稚な質問をしてきたために
俺はつい吹き出してしまう
だけど
すぐ理解した
彼の中には
アスマが居る
俺も立ち止まって
同じ空を見上げた
『…シカマルが
好きな空の上だよ。』
きっと
アスマは
お前が好きな空の上で
ちゃんとお前を
見守ってるんじゃないかな
な−んて
実際何処にあるかなんて
逝ってみないと解らないけど
俺はまた歩き出す
『俺が好きなの
空じゃなくて雲っす。』
しばらく考え込んだ後
シカマルはふっと
笑って俺の隣を歩く
『ま−どっちでも
いいじゃない。
それより…』
『?』
俺はシカマルに
顔を向ける
『一局付き合って。将棋。』
『カカシ先生…
将棋できるんすか?』
きょとんとして
俺を見つめた
『ま−ね。』
よくアスマの相手
させられてたからね
やり方ぐらい
覚えさせられたし
『でも俺…
手加減しませんよ?』
そう言って彼は
柔らかく笑った
-空いた隙間-
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