鹿

-何度だって伝えよう-
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(シカマルSide)

たまに思うんだ、
あんたは、
俺なんかでいいのかって





「………、まじかよっ」





俺は物凄く動揺している

いや、困惑で思考回路が定まらない中
危機的状況に至っているのが今の現状で

なんと説明したらいいのか

とりあえず、簡潔に言う

胸が、あるのだ

男の、俺に

………いやいやいや、

ふざけんな

一瞬太ったのかと疑ったが
チョウジみてーに
暇さえあればポテチ!とか
いのみてーに食後のデザートは
プリンよ!プリン!とか
お菓子や甘いもんを
ばくばく食った覚えもない

しかし胸元が明らかに膨らみを帯びていて
何か間違った悪夢だろうと言い聞かせ
触れてみると、それはしっかり柔らかくて

「………」

いや、ふざけんなって、

なんだよこれ、

「………!」

まかさと思い若干違和感のある下半身にも
手を伸ばした、が、無い
男の象徴となる例のアレが←

もしかするとだが俺、
身体が女になったとかよくある(?)
女体化とかいうオチじゃねーよな、
なんて一人苦笑いしつつ
この現状を受け入れられず混乱していた

そんな矢先

こんな姿を1番見られたく無い人物が
部屋のドアをノックもせずに
入ってきやがった

「シカマルー、いるか?」

くそ、熊、…いやアスマだ

俺の両親とは結構仲が良く、
(つーか俺の親父はアスマの先輩らしい)
アスマは俺の師で在るため
任務帰りにたまにうちに寄っては
一緒に飯やら豪快に平らげて
終いには風呂やら布団まで借りて
何度か泊まったりして
そんな中いつの間にか自然な流れで
親密な関係になっちまった俺達を
両親は勘繰る事なくアスマを
家に招き入れたりしている

ああもう最悪
こんな姿なんて説明したらいいのか

「………っ、勝手に入ってくんな、」

布団を被り、顔の半分だけ覗かせ出来るだけ
ばれないようにと小さく言い放った

…そうだまだアスマが俺が
女体化してるってことに気付いてねえはずだ

このまま上手くやり過ごして
本人にわりーが今日は帰ってもらってー…

「わりいわりィ…ってシカマル、
ー…いつまで布団に包まってんだ、
早く着替えろ、」

「うおっ!」

がしがし頭を掻いて詫び入れたかと思えば
どてん、間抜けな音がして、
直ぐさま腰に痛みが走る

「いって、」

アスマは俺がしがみついてた
掛け布団を呆気なく剥がし
そのままベットの下へと落した

ありえねー、
勝手に部屋に入ってきた挙げ句
人が寝ている布団を剥ぎ取るなんて

ったく、なんでこの人は大雑把っていうか
適当っていうかこう乱暴なんだろう

「………」

「…シカマル、お前、」

あ、バレた

パジャマ越しでも解る
ふくよかな胸の膨らみの違和感と
第二ボタンまで開いた胸元から
ちらりと見える自分の谷間に
何故か恥ずかしくて顔を赤くしてしまう

「…え、と」

なんと説明したらいいのだろうか
いや、説明仕様が無い
いつも通り朝起きたら
この様な状態に陥って居たのだから

「…っぷ、」

ふ、と時間が開き、
沈黙を破ったのはアスマだった

いきなり手で口を押さえて吹き出すアスマに
俺ははてなマークを浮かべて見上げる

「女に変化してんのか?」

「………は?」

笑いを堪えてるのか
肩を揺らしながら俺から目を反らすアスマ

ちょ、待て、俺、業と女に
変化してると思われてんのか?

「んな訳ねーだろ!
朝起きたらこーなってたんだ!」

ふざけんなこのくそアスマ、
人が真剣に悩んでるところを
面白がって笑いやがって

「………へぇ、」

…信じてねーなこいつ!
あーもうどうするか、
親父達にばれたら余計めんどくせぇし、

「ーッうわ、」

ぼふん、

なんてぼーと考えていた矢先
隙を狙われ抱き抱えられて
音を発てて落ちた先は
まだ温もりのあるベットの上で

「そりゃ随分色っぽくなったな、」

信じてんのか信じてねーのか
獲物を狙う野生の熊みたいな目付きで
俺に視線を合わせて口角を上げて
何故かアスマも狭い
ベットへと乗ってきやがった

「…顔付きまで
女っぽくなってんじゃねーか」

え、まじかよ、
………じゃなくて、
やっぱり信じてねーよアスマ、

大体なんで俺が好きで
女になんか変化しねーといけねーんだ

がしり、

「………っ、な!」

胸を捕まれた、この変態熊アスマに

「なにす、…っ!」

「よく出来てんじゃねーか、
柔らけーし、Dぐらいあんのか?」

「や、っ…知るかっ、…放せっ」

「業と女に変化して誘ってんだろ?
シカマル。」

「ちがっ、」

「下着も付けてねーみてーだしな、」

「…っ!」

呆気なく押し倒されて
アスマの下敷きになった俺

胸を荒々しく揉まれ、
かつて感じたことの無い感覚に
俺の身体はうずうずとうごめいた

「…や、だっ…っ、」

パジャマを上まで捲り上げられ
二つの膨らみが顕になると
アスマはにやりと口元を上げて
上手く抵抗する暇も無く
その片方へと吸い付いた

突起を舌で転がしたり愛撫したりと、
これまでアスマとの行為の手順と
変わりないものの
身体がいつもより異常に反応してしまう

やはり女の身体だからだろうか

片方は口で吸い付き
もう片方は指や手の平で揉んだり
抓ったり弾いたりと無造作な動きを繰り返す

「や、…ら、…あすま、っ…」

こうなってしまったら
抵抗しても無駄だろうと
脳では解っていた筈なのに
恥ずかしさからか抵抗の腕を伸ばしてしまう

「ひ、っ…んっ…は」

強く抓られ、腰が浮き
優しく撫でられ身体が疼く

何度も何度もそれを繰り返し行われ
胸の形を無造作にも揉み回して
その感触を楽しんでいる様だ

人の身体で遊んでんじゃねえ、
と言いたくても漏れるのは酷く淫らな
自分の吐息だけ

「…や、だ、っ…ふ、…ん、あっああ、」

ちゅうう、と強く乳房を吸い付かれ
俺の身体は大きな刺激が走る

「…胸だけですげー感度、
あんまエロい声出すなよ、
止まん無くなるから。」

止める気ねーだろ、と言い返したくとも
いい返せぬ状況で
俺は必死に口元を押さえて漏れる声を防ぐ

「………下、すげえ、濡れてっけど
そんなに気持ちよかったか?」

いつしかアスマの大きくて太い手は
俺の下半身へと伸びていて
パジャマのズボンを足首まで下ろされて居た

下着越しに愛撫されて俄かに湿っている事に
アスマは満足げに笑っている

ー、恥ずかしい、

もうそれしか脳裏に無い

「、ッなわけ、っ…ね、だろ」

もっと余裕のある発言を出したかったのに
情けない声が俺の部屋に零れて
それは一瞬で消えた

「…なら確かめてやるよ、」

その発言はアスマを
余計燃え上がらせちまったみたいで
直ぐさま後悔する事になる



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