鹿

-君の好きな人は誰ですか?-
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「なあなあなあなあ!シカマル!」

木の葉の甘味の名物が揃う
甘栗甘にうずまきナルト、
犬塚キバ、そして奈良シカマルは居た

落ち着いた店内の中
ナルトがもの凄い勢いで
机から見を乗りだし
蒼い目を輝かせて目の前に座る
シカマルに問う

どうせくだらない事だろうと
シカマルは思いながらも
一応聞いてやろうと啜ってた湯呑みから
口を離してナルトに目を向ける

「シカマルって好きな奴いんの?」

「ーっ、!」

思わぬ質問に飲み込もうとしていた
お茶を吐き出しそうになる

同時に心臓がどくんと跳ねた

「ーその反応はいるって事だな。」

「ちげーよ、
ナルトがくだらねー質問すっから、」

にやりと笑うキバに対して
平然を装うとしても
出る声は余りに感情的で
どうやら図星の様だ

「誰だってばよ?」

「言えよシカマル!」

ずいずい身を乗り出すナルトとキバに
圧倒されつつシカマルは眉に皺を寄せた

「………」

「「俺か?」」

「んな訳あるか!」

綺麗にハモる勘違い馬鹿二人に
すかさずツッコミを入れるシカマル

余りに否定の反応が異常にも速かった為
ガクッと肩を落とすナルトとキバ

実を言うとこの二人
シカマルの事を前々から狙っているらしい

今回甘栗甘にデートに
誘おうとしたナルトだったが
タイミング良くキバも
シカマルにデートを申し込んだ為
(※本人はデートとは思っていない)
仕方なく仲良く三人で甘栗甘へと至る

「………いねえ、よ」

ぼそっと小さく溜息を付いて
シカマルは呟くように口を開いく

「本当かよ?」

「まじで居ないってば?」

「………ああ、」

間が開いたのを気にする事もなく
頷いたその瞬間
肩を落としてた二人の表情が
だんだんと明るくなっていく

そして二人は「「これはいける!!」」と
心の中でガッツポーズをした

(いるって言われちゃあ
シカマルの恋を応援する気だったけど
いないなら話は別だってばよ!
このまま押せば
シカマルはきっと俺とー…)

(ヒャッホー☆
いねーならこっちのモンだ!
ナルトには負ける自信ねえし
シカマルは俺が頂いたァ!
攻めて攻めて攻めまくって絶対落とす!)

「よっし、シカマル!!
この後俺ん家来ねェか?
母ちゃん達がお前に会いたがってんだ!
(ホントは留守だけど。)」

「なーに言ってんだキバ、
これからシカマルは俺と一緒に
一楽行ってラーメン食うんだってばよ!」

「ちょっ、お前ら、…」

騒ぐナルトとキバに
周囲の目を気にしつつ
両手で「落ち着け」と合図をするも
火花をぶつけ合う二人には
シカマルの声などまるで無視

そんな時





「楽しそうだな、お前ら。」





「「ゲンマさんっ、」」

聞き慣れた声にシカマルが振り向くと
不知火ゲンマがそこに突っ立っていた



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