-花と仮面とほんとの素顔-
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(デイダラSide)



「…ん」

柔らかい風がオイラの
髪を優しく撫でて

暖かい日差しは
部屋を包むように
カーテンから入り込んで来る

ああ気持ちい

外はぽかぽかの天気だろう

今日は何も無い

しょっぼい任務も
めんどくさいアジトの掃除当番も
洗濯当番も買い出しも

何も無い

だからお腹空くまで寝よう

うん

起きたら何食べようか

何処行こうか

何しようか

そんな事を思いながら
オイラはもうひと眠り付こうとしたー…





「―…ん…い!せー…ぱい!」











「でーだら…せんー…い!」





どうしよう

なんか聞こえる

無視だうん

幻聴幻聴幻聴

自分に言い聞かせ目を
ぎゅうっと閉じる

そいつはあろうことか
人が気持ち良く夢の世界へ
踏み出そうとしてる処を
爆弾の様に妨害し始める





「ねえ!先輩!デイダラ先輩!
起きて下さいよー!」





ゆっさゆっさと
オイラの身体を揺らし
起こそうとしてるー…





「デイダラせんぱーい!
起きないと悪戯しちゃいますよ?」





揺らすのを辞めたかと思えば
そいつはきゃあきゃあ
言いながらオイラの髪を
弄り遊び始めて

「デイダラ先輩、絶対
二つ結び似合いますよー!
三つ編みもいいっすね!」

とか言いながらオイラの髪を
三つ編み(ぽいもの)にして
一人楽しんでやがる

…こいつ、オイラにそんな髪型をさせて
任務に臨めと思ってんのか…うん

にしても…

くっ、くすぐったい!





「オイラは二つ結びにも
三つ編みにも絶対しねえぞ!…うん。」





オイラは流石にイラっときて
むくっと起き上がった






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