poem

□いつか
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貴方が一番好き
あの日の君はもういなくて
僕の前には
ただただ
光続ける自動販売機がある

手にしたコーヒーはもう冷たくて
いつかの温かさが嘘の様

本当の君は消えてしまう
いつも僕は現実逃避
じっと目を瞑って記憶を追う
最後は見ないように蓋をして

僕はあの日にまた甦る
無くなった筈のコーヒーが
コップの中で揺れている
僕は楽しそうに話していて
微笑ましくて笑ってしまう

でも僕の視線の先には誰も居なくて
いつも現実に戻される

いつか君を訪ねにいった
そこには君じゃない君が居て
僕の頬に水をたらしたね
時が妬ましくなって
僕は人生にケリをつけようとした
でも出来なかった
僕という存在が
あまりにもちっぽけなモノだと知ったから
ではどうすればいい
とりあえず答えが見つかるまでは
ここにいよう

あんなにも恨んでいた時が流れ
もう生きている理由を忘れた頃
僕は彼女に出会った
とても綺麗な人で
僕を理解してくれた
分からなくても
分かるように頑張ってくれた
久しぶりに愛を感じた
それは僕の落ち着く場所だった
その時分かった
いきる意味が無いのは誰もが同じ
意味とは自分を理解し
それを受け入れられた時に
自分で作るものだと
彼女は笑ってくれた
僕は誓う
君の笑顔を守っていこうと

その時世界が開けた気がした
あぁ……僕は温かいコーヒーを買う
でも……今度は冷めない
そして彼女を温めるだろう


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