poem2

□皆の恋。少女の恋。
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ある時 ある所に
大きな箱が落ちていました

赤い箱でした
いいえ 黒い箱でした

ある少女はその箱を開けてみました
中には何もありません

けれど少女は夢を見ました

それはとても幸せな恋の夢
いいえ とても悲しい恋の夢

少女は悲しくて
自分が寝ていることにも気づかずに泣きました
いいえ 笑いました

どのくらいの月日が流れたでしょう
ある時 ある所に
今度は少年がいました

同じように 大きな箱を見つけました

赤い箱でした
いいえ 黒い箱でした

ある少年はその箱を開けてみました
中には何もありません

そして夢も見ませんでした

その代わりに
目を閉じた少女を見つけました

少年は 泣いたり笑ったり
声も聞いたことのない少女に恋をしました

そして彼の声と共に
少女は夢から覚めました

次に少女が見る夢は
幸せか はたまた不幸か……
それは誰にも分かりません

ただ、
今の少女の顔には ありったけの笑みがありました

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