日々赤裸々〜兎の場合〜

某日、月曜日。





朝五時五十分。

ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴっ…





「………………、」





ぴぴぴぴぴっ…





「………、」





ぴぴっ…





「…………起きるか」





朝六時十五分、最初のアラームから二十五分かけて、枷邑暁斗起床。

家族の中で一番早起き。でも低血圧。制服に着替えてコンタクトを入れて、洗顔を済ませ、髪型をセット。

朝食はご飯派。ただしおかずがない日は白米オンリー。切ない。
歯を磨き終わる頃に、父と暁斗の弁当を作るために母が起床してくる。トイレや洗面所にいるため母と顔を合わすことはない。意図的。

学校に行く用意をして、弁当と数冊の小説と友人に貸す漫画を持って家を出る。ここで初めて母と顔を合わす。
目を合わせないまま挨拶。



七時半、バス停到着。

バスが来るのは四十五分。バスを待つ十五分間、持ってきた小説を読み進める。

今日は好きな作家のミステリー小説。何度も読んでいるからオチは知ってる。だが飽きない。
ストーリーが山場に入ったところでバスが来る。

乗車。
一番前の席が定位置。朝は混むから降りやすい位置。
音楽を聞きながら小説の続きを読む。


黙々。読々。


いつの間にか学校近くのバス停に到着。

慌てて下車。






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