たかやくんが散歩に誘ってくれた。お互い社会にでて昔よりも分かち合える話は少なくなったけれど、こうやって、たかやくんの気まぐれのような行動も、間違いなくたかやくんの優しさから貰えるものだって、わたし、ちゃんとわかるようになったから。 そうだね。昔よりも分かち合う気持ちが深くなったって感じるよ。帰る家が同じになって迎える朝も同じになって、言葉以上の時間を、たかやくんと過ごしてるから。 春はまだ遠いけれど、今日の暖かいお天気。わたしの今の気持ちにぴったりだな、と思っていると、公園の青い芝の上でキャッチボールをする男の子たちがいた。 「たかやくん、見て」 思わず笑顔になってしまう。愛しい懐かしさ。わたしはあのときあの子たちみたいな顔したたかやくんを好きになった。 たかやくんにとっては普通の景色なのかな。他の人のキャッチボールなんてたくさん見てきただろうし、ましてやあの白球をその手に何度も握りしめてたんだもんね。 あはは。なんだろう。今すごくたかやくんと手つなぎたいな。 信じている ただ信じてる 同じ時間を刻む人へ |