「ぁふ…ん、ぐぅ」 頭がぼーっとしてくる。 梓くんの長くてかっこいい指がわたしの口内を犯す。もう片方の手はどこか焦りを感じさせる手つきでふざけて着てしまった制服を這う。目の前にある鏡でそれは他人ごとみたいにみえた。わあ、なんかドラマみたいだよ。 あれれ。どうしてこうなっちゃったんだっけ? あ、そうだ。鏡の前で昔の日記読んでで、気づいたら後ろに梓くんがいてびっくりした。振り向こうとして自分のカッコを思い出して恥ずかしくててもじもじしてて。もう一回「おかえり」って言おうとしたら、後ろから抱きすくめられて今にいたるわけで…。 ちゅう、とうなじを吸われて息が詰まった。 「なによそ事考えてんだよ」 「んっ、ぅ」 「余裕あるな」 ねっとり囁いたかと思ったら、わたしの口にあった指がわたしの下半身に移動した。さ、さすがに立ったままはちょっと辛いので抵抗を試みた。そしたらそのまま前につんのめされて壁に、手を付かされてしまった。 わあ。梓くんがひどいよお。な、なにか嫌なことでもあったのかな…。いつもならこんなむりやりしないのに。 おお、そういえばこの鏡立てかけてあるだけだからこのままだと倒れちゃうんじゃないだろうか。 「だからよそ事考えんなって」 「!」 気づいたらブラウスのボタンが全部外れていた。スカートもほとんど捲り上げられていて下着が見えている。 「あ、あずさくん!」 どうしよう!梓くん本気だ!わたしぼーっとしてる場合じゃないぞっ。 とりあえず後ろから好きにされている状況を打破すべく振り向こうとしてみるんだけどさらに身体ごと鏡に押し付けられて身動きがとれない。 「っあ」 わたしが抵抗したからか、梓くんの濡れた指がおしりからなぞるように割れ目に添えられる。そのまま中指と薬指でゆっくりゆっくり下着のうえから前後に擦られて、膝が震えてしまう。 刺激が強すぎて涙が出てきてしまった。 崩れ落ちそうになるのを必死でこらえてみるけど、壁とわたしの身体の間にある鏡にはわたしの醜態が全部映されていて、頭が、麻痺、す、 「っ。誰のこと考えてんだよっ!」 視界の端っこに、眉間にシワを寄せて苦しそうな梓くんの顔が見えた。なんで、そんなこ、と、言う、の? なんでそんな、哀しそうな顔してるの? 私今、梓くんでくらくらなのに…。 (どうして?) (なにがそんなにこわいの?) |