振り
□ようこ
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いきなりそいつはうちの教室にきた。
「おっすこうちゃん」
「…」
「こーうちゃーん?」
「…だれだよおめー」
「あ。君かこうちゃんて」
だからお前は誰だよ。
そいつはニヒルに笑って、クラスの奴らの視線を集めて俺の席の前まできた。
つかデカいな、背。
だるそうに座っていた俺は自然と見上げる形になる。
「そんな顔すんなて」
「や、つか誰すか?」
「あはは。ななのつれだよ。聞いてないか〜」
ななの…?
あいつにしてはずいぶん元気なダチだな…。
つかなんだこの女…いきなりうちのクラスきて何用?
そんでなんで俺?
俺あんたと面識ありませんけど〜。
「なながさ、あんたに冷たくされて悩んでんのよ」
「は?」
「あのこね、思ったこと全部顔にでるじゃん?だかんさ、それを良いことに心配するふりして近寄ってくるバカがいんの」
絶句。
なんだこの女〜!?
「だからあんまいじめてやんないでね?」
じゃ!と言って教室から去っていったあいつ。
名のってけよ。
090824