振り

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ランニングが始まって案の定、いずみくんと目があうと睨まれました。
わかってはいたことなのですが、やっぱり寂しいものです。

昔はもう少し仲が良かったのになー。


ちらほら他の部員さんとも目があって、会釈をしてくれる人もいます。(いずみくんとは大違いだよ!)

いつ頃からわたしはいずみくんに避けられるようになったのでしょうか。(避けられるというか、邪魔者扱いかな?)

小学五年生の頃にはもう、そんな感じだった気がします。
おはようと言っても返してくれなかったり、一緒に帰ろと言っても誰がお前なんかと帰るか!と返されたり(さすがに泣きました)。


中学校が別れて、遊ぶ回数が減って。しゃべる機会もなにもかも、今までのいずみくんが切り離されていきました。
だから、高校が一緒になってわたしはとても嬉しかったのですけども。
いずみくんは、やっぱりわたしが邪魔なのでしょうか…。


「ぅ!?」


ビックリしました。
わんちゃんに足を舐められただけでした。
さっきも舐められたのに、また同じリアクションしてしまいました。わたしにはユーモアがないです。

でもわんちゃんいて良かったです。
昨日##NAME3##ちゃんを誘ったのですが「あたし今サッカー部取材中」と一蹴されました。残念です。
いつか野球部にも取材に来てくれると良いな。
そしたら一緒に見に来れます。



「ななみー!」



たじまくんがバットを片手に、大きく手をふっています。
わたしが手を振りかえすと、みててくれなー!と叫びます。

キーン、と軽快な音と一緒にボールが遠くに飛んで行きます。少し角度を落とした太陽とかぶって眩しいです。
でも、とても綺麗です。

わたしは見入って、フェンスを握りしめていました。





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