振り

□あふれる
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俺はまた覆い被さって、ななを腕の中に閉じ込めた。
やっぱりななふるえてたけど、ゆっくり、胸を隠していた手を肩にそえてくれた。
瞳は赤く揺らいでいて、俺はずっとこの目を見ていたいと思った。ずっと、この目を一人占めしたい。



「ぅ、ぁぁあっ」



つ、あ、やべ。なんも、合図してね、く。


「はっ、いた、ぃか?」


いちおう聞いてみるけど、俺ぜんぜん余裕ない。
ななも泣いてて、俺の声届いてるように見えなかった。
でも、ななの手が、俺の肩をもっと強くつかむのがわかったから、俺は腰を進めて、全部いれた。


「ぅ、すき。はな、く・・・すきぃ」


一度動きをとめてななの頬をなでる。
知ってる。俺もお前がすきだ。
面と向かってあんま言えないけど、学校で手もつながないけど、一緒に帰れないけど、お前がすごく好きだ。
 
お前が大事だ。

痛い思いさせて、ごめんな。



「なな・・・っ」


「んぅぅ」


ななにキスして、俺は律動を始めた。
ゆっくりゆっくりしたかったけど、どんどん早くなって目の前がちかちかしてもうなながいとしくって。



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