他校生との付き合い始め 「さっ佐倉く、ん」 壁際に追いつめられてしまった。校舎のひんやりとしたコンクリが、わたしの肩から熱を奪っていく。見上げた佐倉くんの顔は熱を持っているような、なにか言いたそうな感じで。でも言えなくて。わたしは直視できずに下を向いてしまった。佐倉くんにはわたしを圧迫するつもりなんてないんだろうけど、身長とか表情とかが、なんだか怖い…て語弊があるけどそんな感じで。あと、どきどきしちゃって。約60pに、わたしは顔をあげられない。 「ご、ごめ…」 「ど、どうかしたの…かな」 「やっ、な、なんつかこう、ぐわぁぁあって」 ぐわぁぁあってなると追いつめちゃうってどんなの!?そんな赤い顔して言わないでよ。わたしまで恥ずかしいよなんだかっ。 「ちっちゃいから…」 「へ?」 「いやっごめんっ」 謝りながら一歩後ろに下がる佐倉くん。なんでわたしが申し訳ない気持ちになってるんだろう。どうしようわたし、これから佐倉くんとうまくいくのかな。うまくいきたいな。やだ、離れないでよ。 「ぉあっ」 「ごめんっ…ぐわぁぁあってなったっ」 思わず抱きしめた佐倉くんの右腕はその身体に似つかわしく逞しくて、わたしをしっかり受け止めた。 佐倉咲け!! |