振りに

□ハ・チャー
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正直なところ、ぶん殴られるかと思った。まさかあの花井がオレの挑発にのるとは。やっぱさき絡みだからか?
まあ半分あてつけみたいに 部室でやってたのもある。無意識だろうけどさきはいまだに花井を気にしてる。無意識だからよけー腹立つんだけど!さきさん!


あの日からたまあにオレたちはこのとちくるったまぐわいを始める。ピンクの照明の下、でっかくてまんまるのベッドの上で、真っ赤になってる二人。と、笑いを堪えてるオレ。あ、ピンクだから、オレもけっこうに顔赤ぇかな。

「…ダメッはないく、や、」

花井より意外なのはさきのこの乱れようだ。右手をオレとつないで、左手は花井の首にひっかけ喘いでいる。オレとしてるときは髪掴むけど、花井には掴む髪がねーのな。さきの胸をいたわるみたいに手のひらで包み撫でる花井。少しずつ増えるシーツの波の上、よだれ垂らしてるさきの口がえろくて苦笑いしながらキスしてやると右手をきゅっと握って夢中でこたえる。本当に予想外だ。


「あっ」


「さきがもっと、きもちくなりてーと」


胸を遊ぶ花井をちょんとどけてさきの両足を掴んで、花井の目の前にアソコを晒してやる。さきの頭をオレの太ももに乗っけてやると、やっと自分のカッコに気づいてそこを隠そうと足の間に手を伸ばす。潤んだ瞳が大きく揺れて花井を見つめた。花井はさきの手元よりその目を凝視して真っ赤になる。伺いあう瞳がぶつかる。花井はまゆを寄せオレをみた後、さきの腰を足の外から抱えるように手に手を重ね、指を絡めてさきの両手をどかした。
ついに晒されてしまったさきの女唇は、白い双丘に未だ埋もれていた。それがまた扇情的で、花井の視線を絡め捕らえる。花井はあっちぃため息をついて、柔らかな膨らみに唇を寄せる。



「ひっ、…いっ」


「わ、わりっ!痛いかっ?」

「なわけねーだろ」

「…お前に聞いてないっつの」


いいじゃん?俺のさきだし?とちょっと挑戦的に笑ってやったら花井の目が鋭くなった。もー。花井はからかいがいがあるなー。試合じゃちったぁポーカーフェイス出来るようになってんのに、これじゃ女とまともにつきあえねーだろ。
オレの挑発にのりにのった花井がさきを攻める。でっかい図体の花井が、オレよかちっちゃいさきを、大真面目に身体を丸めて愛撫してんのが面白い。抱えたさきの身体がぴくんぴくんて魚みてーに震えて、さきの肩と髪に擦れてるちんこがすっげー気持ちかった。見下ろした彼女は花井に舌で犯されながらオレを見上げている。淫乱さきめ、いい顔だまったく。さきが一層大きく震えて、ぐったりと力が抜けていった。いつの間にかさきん中に突っ込まれてた花井の指がつるりと抜ける。なんつーか、女とまともに付き合えなさそうな花井君は女と寝るのは意外に得意なんじゃないかと、気持ち悪りぃ想像で苦笑した。さきで経験値積んじゃってんなキャプテン。

花井を仰向けにシーツに倒して、さきを花井の腰に跨らせる。不安そうにオレを振り返ってもオレは笑うだけ。学習しないかな。オレ、お前の不安そうな顔が見たくてやってるから、その顔でさきの意向は汲んであげません。後ろから膝立ちになってさきの腰をゆっくり花井の股間に落としてやる。


「ま、俺は!」


「挿れねーから」



何度目かのこのとちくるった状況にも、花井なりの意味不明な規律があるらしかった。花井は絶対さきに挿れようとしない。だからといってオレは「オレの穴使いますか?」とは言わないし、まあ言ったら言ったで反応は面白そうだけど。さきと花井の股がぴたりとくっついてさきの背中が綺麗に反った。花井も眉間に深いしわを刻んで、快感に流されないよう息を吐く。ほんとのところはどうなんだろう。やっぱ好きな娘じゃなきゃ挿れたくないとか?挿れなくてもお前はイケればいいんか?ちんこ気持ちかったらいいんかこの鬼畜め!さきの肩口に鼻を埋めて髪にキスをするとさきもオレに鼻先をこすりつけてキスをねだる。可愛い。前に手を回してさっきまで花井が舐め回していたさきの女唇をまさぐると、花井も一緒になって身体を震わせる。少しだけさきを前に倒して花井の胸に両手をつかせ、うすうすこんどー丸(商品名)をちんこに装着し、さきの膣にいれた。
花井が一生懸命、健気にほぐしたさきの膣壁がオレのちんこをうまそーにのみ込んできゅんきゅん締め付ける。ゆるゆると腰を動かしてやれば花芽が花井のちんこに擦れてつらいのか腰を上げようとするので抑えつけてやる。それでも花井への刺激はイケるよーなもんじゃなくて、もどかしく眉を寄せてさきを見つめてる。後ろから腰を穿ちながらさきの顔を覗き込んでみると花井の顔が真下にあるのが恥ずかしいのかぎゅうっと目を閉じていた。目の端っこから滲んだ雫を舌ですくってやる。さきお前、なんでオレと付き合い始めたんだろうな。


「うあ、あぁ…、だめぇぇ」

「駄目じゃなくてさき、花井も気持ちよくさしてやんねーと 」

「あっ、あ、や、めっ」

「さき…おかえししてやろー、な? 」


耳元で囁いてやるとわかってんのかわかってねーのか、身体ガクガクしてんのか、小さくうなずいてうっすらと目を開いてオレに視線を寄越した。さきの腰を支えていた両腕に力を込めて、前倒させたさきの身体を起こす。花井の股間からさきの身体が浮いて、花井は、自分を刺激するものが無くなったことに安堵したのか苦しいのか、胸を大きく上下させて息を吐いた。花井、意外に我慢強ぇのな。
さきの両手を後ろから掴んで花井のちんこを握らせてやる。さきは、今更だけど超恥ずかしがって、オレの手のひらを押し返す。さきの肩口に顎を乗せて耳元に囁く。さき、はないのこときらい?首を小さく横に震わせてはたりと涙を落とすさきが、おずおずと花井を掴んだ。花井がピクリと腰を揺らして、さきの、糜爛を掴む手元を見つめる。花井、お前、あんときと同じ顔になってんぞ。
手のひらを使わず、両の指先で、壊れもん扱うみてーにすりすりと花井のちんこを優しく撫でる。いやーそれ花井きもちーのか?イケないだろーそれ。あ、どうしよう、おもしれー。さきの首をなめながら花井の顔を盗み見たら、すげー顔してて。花井からかってやろうかと思ったけど、さきの中がぎゅむーて締めるから、オレはオレで仕事しようと腰を再び揺らした。
そしたら二秒もしないうちにさきの手が止まっちまって、花井が可哀想なことになってしまう。はは、と思わず笑って、さきの手をもいちど、片手で掴んで腰と一緒に動かしてやる。 さきの手のひら越しに、熱くなるそれ。

「う、ぁ、たじ、ふ、たじまく」

「た、じま」

「っは、お前ら、オレを呼んじゃうんだ」

思わず吹き出した。や、実際、2人をきもちくしてやってんのはオレだけど。花井の艶っぽい声がきもくて。強めに扱いてやったらますます肩を跳ねさせる。 さきの声が余裕無くなってきてなかがきゅうきゅうなって、オレも射精感ぱなくて、腰も手もすげえ頑張る。息も止まりそうなオレ達の刹那、張り詰めた花井がえらい勢いでぶちまけて、ちょっと遅れてオレもゴムの中に出した。
頭くらっとしてんのと膝立ちで花井の足またいでるせいでさきの身体を支えきれず、さきはそのまま、花井の胸の上にくずれおちた。オレまで倒れ込みそうになるのを手を突いて支え、さきの背中と少し戸惑いながらそれを撫でる花井を見下ろした。

酸欠か倦怠感か、さきは花井の上でぴくぴくしながら意識をとばしていた。やっぱ基礎体力違うんだなーと他人事みたいに思いながら身体を起こす。花井が優しくシーツの上におろし、仰向けに寝かせてやる。涙の筋ができてて、なんかもう二回くらいデキそうな気がしたんだが。明日も練習あるし遅くなったらやばいので、堪えて身仕度を始める。さきの腹は花井のせーえきでおえええな状態で、花井は濡らしたタオルで、もくもくとそれをふく。うすうすこんどー丸をハズして縛ってゴミ箱に放り投げると、「んなもん投げんなよ」と花井が後ろからうなった。汚ねーもん撒き散らかしてるお前に言われたくねっつの。性交渉の後からくる独特の倦怠感が、ちょっとだけオレをいらっとさせた。いつも、いらっとする。変な話だ。オレが作った状況にオレがいらっとしてる、って。つか、まさか花井がのると思わなかったし、さきもこんな、悦ぶと思ってなくて。オレはそもそも花井に見せつけたかったから始めただけで。オレは結局、さきと花井の間にある訳の分からん意志疎通に、嫉妬してるんだ。払拭しようと始めたこのとちくるった儀式は、確かにオレを埋めてくれるのに、終わった後の数分、堪らなくオレを、じりじり炙るみたいに、痛めつけるんだ。











糜爛な意識がまた繰り返す





 

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