振りに

□そうさ操作ソーサー
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まあ、さきにしては頑張った、か…。時計を目の端に入れてそう思うことにした。
俺の部屋にはテレビが無いので、リビングにあるでっかい液晶で久々のろくよんも悪くないなと立ち上がった。したいつったのさきなのにすごい焦って俺をとめるから「は?」て思ったけど、どうやらおいていかれんじゃないかと勘違いしたみたいらしかった。おいてくわけねーだろが。








「はないくん、…手加減してよぅ」



俺もあんまゲームしねぇけど、こいつの弱さは秀逸だった。いっそすがすがしい。これ以上の手加減をどうしろっての。つーかコントローラーと一緒に身体動かしても意味ねぇだろ。疲れるだけだろ。ソファーが地味に揺れてるから。落ちるぞ。
半ば憐れみの目で隣に座るさきをみればすねた顔してコントローラーを見つめていた。穴があくぞ。



「わかった…!」



くりんと顔を向け俺に近づく。何をするつもりなのかとみていたら、アグラをかいた俺の脚の上に腰を下ろした。な、なに?とちょっと抵抗したら俺の手を自分の腰に回してコントローラーを持たせる。さきのコントローラーで、俺の手元は見えなくなってしまった。



「これでもいっかい!」



すごく自信満々なアイディアみたいに俺を振り返るさき。けど俺あんま手元見ずにやんだよな。つかだいたいのやつがそうじゃね?つかお前手元ばっか見てるから逆走すんだよ。
俺の体にすっぽりおさまった可愛い奴。今度はさっきより手加減してやろう。

スタートしたらそれどころじゃなかった。コントローラーと一緒に動くさきの柔らかい尻が俺のこ、こ、こか…大事なところをぐりぐりぐりぐりと…けっこうな摩擦である。最初は気にならなかったがカーブや障害物にさしかかるたび大きく動くさきのせいで俺のムスコはあっとゆうまに半立ち状態になってしまった。レースはなんとか勝ったが、負けたさきは「なんか勝てそうだったからもいっかい!!」と血の気が引くようなことを言う。いや実際血が集まってるんだが、はは…ってはは、じゃねぇよ!!
悲しい男の性に悲しいのりつっこみをしてると、背もたれにのけぞり脱力しきった俺に気づいたさきが、心配そうに振り返る。身体ごと向き直るもんだからまた下腹部がこすれてたまらない。



「はないくん…飽きちゃったの?」




違います。出来ればのいて欲しいです。と声を発することも出来ず、とにかく落ち着こうと呼吸をした。
しかしさきは許してくれず、ペトリ、と俺の心臓の音を聞くみたいに胸に頭をくっつけた。それだけでぞわりとしてしまって汗ばんだ身体がさきをめちゃくちゃにしたいと唸る。
だがここでコイツをめちゃくちゃにすればコイツのテストはもっとめちゃくちゃになるんだろうなと、残った理性が押し返す。



「疲れちゃった…?」










うん。超疲れた。








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