たかやくんから紡がれた言葉がつぎつぎとわたしの耳に届く。耳から入った音なのに全身に巡っていってまるでお湯みたいな感覚だった。お腹が暖かくなって爪先が温かくなって顔が頭が…。息がうまくできなくて、周りの景色がまぶしくて、目がぼやけてしまう。 わたし今ゆたんぽになってる。 「なな…おい、大丈夫か?」 たかやくんがわたしの頬に手を伸ばして涙を拭った。 あれ。わたし泣いてた? や、やだなあわたしもう立派な社会人なのに。泣いちゃうなんていつぶりだろう。ああでも前映画観たときうっかり泣いちゃってたかやくんにあきられながらティッシュ渡されたっけ。 そんなことを思い出しながら、たかやくの指を感じながら、たかやくんのさっきの言葉を思い返して思い返して…また涙が出てきた。 心配そうなたかやくの瞳が近づいてきて、笑顔に変わって、抱きしめられた。 なんて確かなんだろう。こんなに目がぼやけてるのに。あなたはなんて近くでわたしの名前を呼ぶんだろう。 たかやくん、たかやくん。 わたし、幸せすぎてどうしよう。 |